このような疑問にお答えします。
釣りに行った際に見かける「フナムシ」。
見た目もゴキブリにも似ているせいもあり、嫌われがちな生物ですよね。
私もフナムシが出ると、ちょっと嫌で場所を移動することも。
今回はそんな「フナムシ」について深堀りしていきたいと思います。
場所によっては、たくさん「フナムシ」がいて噛まれてしまう、なんてこともあり得ますよね。
「フナムシ」に害はあるのか。
またその生態と駆除の方法についてご紹介いたします。
是非参考にして、安心して釣りを楽しみましょう。
目次
フナムシとは?
まずはフナムシとはどんな生物なのかについてみていきましょう。
ふな‐むし【船虫】 の解説
等脚目フナムシ科の甲殻類。
多く海岸の岩石の間などに群れをなしてすみ、体長4センチくらい。
体は小判形で、横長の体節に分かれ、胸脚は七対ある。
出典引用:goo辞書
辞書で調べてみると、このように解説されています。
具体的な分類は以下の通りです。
フナムシの分類
- 節足動物門 Arthropoda
- 甲殻綱 Crustacea
- ワラジムシ目(等脚目) Isopoda
- ワラジムシ亜目 Oniscidea
- フナムシ科 Ligiidae
- フナムシ属 Ligia
- フナムシ L. exotica
このような分類の生物です。
名前に「ムシ」が入っているのですが、昆虫ではありません。
フナムシの由来
フナムシの名前の由来は諸説ありますが、「船に侵入してくる虫のような生き物」ということからそう呼ばれるようになったと言われています。
またフナムシは英語では「wharf roach(ウォーフローチ)」、埠頭のゴキブリと呼ばれており、世界的にもあまり人気のある生物ではないようですね。
種子島では、フナムシは「あまめ」とも呼ばれています。
フナムシの生態とその特徴
ムシとついているのに昆虫ではなく、ゴキブリのように嫌われがちなフナムシ。
フナムシとはどんな生物なのか、その生態についてご紹介いたします。
見た目と体の構造
フナムシの見た目と体の構造についてみていきましょう。
フナムシの外見
- 体長は、1~3㎝程度。最大で4㎝。
- 体色は。主に灰色や茶色、黒っぽい色
- 体表には硬い殻。
- 脚は体の両側に合わせて14本。
フナムシはこのように、色や大きさがゴキブリに似た外見をもつ生物です。
しかしながらゴキブリとは異なり、14本もの脚をもち、エラ呼吸をしているんですよ。
釣り人
フナムシの脚の先にはフック状の爪があり、岩場などを素早く駆け上がることができます。
またフナムシの全身は、色素胞という黒い細胞が広がっています。
色素胞の大きさを調整して色の濃さを変え、岩や砂の色に似せることで、天敵から身を隠していますよ。
フナムシはここが変わっている
フナムシは少し変わった器官を持っています。
陸に生息するフナムシは、実は肺は持っていません。
肺の代わりに「血管鰓(けっかんさい)」と呼ばれる器官が、フナムシの腹部の足(腹肢)の内側にあり、ここで呼吸を行っています。
空気中の酸素を足の付け根の水分に溶かし、エラ呼吸をしています。
しかしこの器官はエラであるものの、フナムシは水中では呼吸が行えません。
水の中の酸素濃度はフナムシには足りないため、海辺の近くに住んではいるものの、水中では暮らせないのです。
海に落ちると少しの間は泳げますが、最悪の場合、呼吸困難で溺れて死んでしまうんですよ。
フナムシは海の中では生活できないため、陸上で、岩陰や磯などの水分が豊富な暗く湿った場所を好んで生息しています。
生息場所と活動時間
フナムシは、主に海岸の波打ち際や、湿った岩場、木の下、漂流物の下などに生息しています。
日陰や湿気の多い場所を好む性質を持つため、昼間は隠れています。
フナムシは乾燥にも弱く、日の当たる場所に放置されるだけで簡単に干からびてしまうんですよ。
そのため陽が落ちて、夜に活動が活発になるのです。
乾燥に弱いため、冬はフナムシはなかなか見かけません。
春から秋にかけて活発に動いています。
釣り人
フナムシは「海水がある場所」に生息します。そのため古い木材やコンクリートの隙間など、家の周りで見かけることはあるものの、人間の生活空間にはほとんど侵入しません。
単純に湿っていたり、水分があればいいわけではなく、「海水と同じ濃度の塩水」がなければ、フナムシは呼吸もできず生きていけないので、海水のない民家は基本的に好みません。
しかし海岸沿いの住宅の場合、外壁やエントランスなどに出没し、屋内へ侵入することがあります。
害があるわけではないものの、繁殖力の強さや見た目から、人々の駆除の対象となっています。
フナムシの行動
昼間は隠れていて、夜間に活動することが多いです。
日中は岩の隙間や木の下に隠れ、外敵から身を守ります。
その見た目に反し、俊敏な動きが特徴。
岩場などで見つけると、素早く逃げ回ります。
特に危険を感じると、跳びはねるような動きで逃走しますよ。
また海辺の住宅などに住み着いた場合、外壁などをよじ登って、換気扇などから侵入することもあります。
湿気の多い時期には、海辺の住宅地でも活発に活動していることがあります。
実は無害?海をきれいに保つお掃除屋さん
見た目がゴキブリに似ていて、「害虫」と思われがちなフナムシですが、実際には人間に害はなく、刺したり噛んだりすることもありません。
見た目が不快に感じられるため、害虫として扱いがちですが、実際にはフナムシは「無害」。
それどころか、フナムシの食性は、腐食性です。
腐食性の生き物なので、主に腐った植物や動物の死骸、海藻などを食べているんですよ。
これら以外にも、人間の食べ残しの生ゴミや漂着物なども食べてくれます。
いわば環境の清掃係のような存在。
自然界の分解サイクルの一部を担い、腐敗物を処理することから、実は有害どころか有益な存在なのです。
だからと言って、海辺にごみを捨てていいわけではありません。
海を訪れた際は自分が出したごみは必ず持ち帰るようにしましょう。
海辺の住宅地に現れた場合
建物や家財に対しても、フナムシが直接的に害を及ぼすことはありません。
しかしながら、集団で行動するフナムシは磯の香りが強いです。
湿気の多い時期には、悪臭のもとになることもあるので、住宅に現れた場合は、早めに対処することが重要です。
再生能力と繁殖力に優れたフナムシ
フナムシは甲殻類に分類されるエビやカニの仲間です。
ゴキブリは脚が6本なのに対して、フナムシの脚は倍以上の14本。
脚が多いだけでなく、フナムシの体は再生能力や繁殖力にも優れています。
フナムシの再生能力
フナムシの再生能力の優れた点についてみていきましょう。
優れた再生能力
- 万が一手足や尻尾を失っても、脱皮をしたらまた生える。
- 脱皮の速度も早い。
このような能力を持っています。
釣り人
フナムシの尻尾をつかむと、自ら尻尾を切り離します。するとその数日後、体の下半分を脱皮すると新たな尻尾が生えてくるのです。
このように、失ったパーツを脱皮するごとに再生できるため、生命力の強い生物だといえるでしょう。
ゴキブリよりも強力な生命力で、フナムシは生き延びているんですね。
フナムシの繁殖
フナムシはの繁殖方法についてみていきましょう。
繁殖方法
- 海岸などで産卵。
- 温暖な気候で繁殖。
- 特に春から秋にかけて繁殖。
このように繁殖します。
フナムシのフンからは集合フェロモンが分泌され、仲間が集まるようになっているのだそう。
集団でいることで、天敵に食べられて全滅するリスクを減らすほか、集合フェロモンによって体内のホルモン環境が変わり、より成長が促されると考えられています。
ポイント
フナムシは見た目こそ不快感を与えることがあるものの、自然の生態系においては重要な役割を果たす無害な生物です。
餌となるものが少ない場所や海辺近くの住宅地などでは、共食いをして個体数を増やし続けています。
再生能力や繁殖力の高いフナムシが住宅地に出てしまった場合には、早めに駆除することで大量発生を防ぐことができるでしょう。
フナムシの効果的な駆除方法と予防策
フナムシは害がなく、むしろ環境のお掃除係ともいえる生物です。
しかしながら、海辺の住宅地や釣り場に大量発生してしまうのも困りもの。
ここからはフナムシの効果的な駆除方法と予防策についてみていきましょう。
実はフナムシは甲殻類の仲間のせいか、殺虫剤を直接かけてもあまり効きません。
住宅地で発生してしまった場合の駆除方法と予防策
- 掃除するようにフナムシを確保し、退治。
- ムカデ用の置き薬を定期的に設置する。
- ハッカ油スプレーを作り、周囲に撒く。
これらをすることで、フナムシの繁殖、大量発生を防ぐことができます。
ハッカ油スプレーは1週間程度効果があるため、効き目が切れる前に再度撒くといいでしょう。
水300ccに対し数滴のハッカ油をたらすだけで効果があるほか、さわやかな香りになるのがハッカ油スプレーのメリットですね。
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天然成分でできているため、安心して使うことができますよ。
ムカデがいなくなったので助かりましたね。
謎の生物フナムシ!人間に害はあり?なし?駆除の方法も紹介します:まとめ
今回は海辺で見かける謎の生物、「フナムシ」についてご紹介しました。
フナムシはゴキブリに似ているせいもあり、害虫のイメージが強いですが、実は分解者として生態系には欠かせない重要な生物の一つです。
とはいえ住宅で大量発生してしまうと困りもの。
そんなときには今回ご紹介したハッカ油スプレーなどを活用してフナムシの侵入を防いでみてはいかがでしょうか。