
このような疑問にお答えします。
淡水魚の中でも大型に成長する「ソウギョ」。
警戒心の強いソウギョは、釣りのターゲットとしても面白い魚ですよね。
大物であれば1.5m以上のこともあるソウギョですが、あまり食用として流通していないため、食べられるのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
今回はそんな「ソウギョ」についてご紹介いたします。
ソウギョとはどんな魚なのか、またその調理法や下処理についてもあわせてみていきますので、是非参考にしてみてくださいね。
目次
ソウギョってどんな魚?
まず最初に「ソウギョ」とはどんな魚なのかについてみていきましょう。
ソウギョとは
ソウギョ(草魚)は、コイ科に属する大型の淡水魚です。
中国をはじめとする東アジア地域が原産で、日本には主に水草の除去(環境管理)を目的として導入されました。
ソウギョの特徴
- 特徴:体は細長く、成長スピードが速い魚で、全長は1メートルを超えることもある大型魚。
- 食性:主に水草や藻類を食べるため、湖や池、川の水草対策に利用されている。
- 生息地:日本では一部の河川や湖沼に生息。
- 見た目:体色は銀白色〜緑がかった灰色、鱗が大きく光沢がある。
これらの特徴を持っています。
一言メモ
日本ではあまり食用として流通していないソウギョですが、身は白身でクセが少なく、脂が乗ると非常に美味なんですよ。
ただし、川魚特有の泥臭さを持つ個体もいるため、下処理(血抜き・泥抜き)は必須です。
中国やベトナムなどではポピュラーな食材であり、蒸し料理や煮込み料理で楽しまれています。
ソウギョの生態と日本での位置づけ
ソウギョ(草魚)は、中国や東南アジア原産の大型淡水魚です。
ソウギョの生態
- 分類:コイ目コイ科ソウギョ属
- 原産地:中国
- 体長:最大で2メートルに達することもあるが、日本では1.2メートル程度が一般的。
- 体色:緑灰色で、腹部は黄白色。鱗の縁が暗色で網目状。
- 特徴:コイに似ていますが、ヒゲがなく、背びれは小さく丸みを帯びている。
- 食性:草食
このような生態を持つ魚です。
日本に導入された経緯に水草の除去があるように、これらを主に食べて育つため、日本では外来種として管理されることが多い魚。

成長すると体長1メートル、体重20kgを超えることもある迫力満点の魚ですね。
ソウギョとコイの違い
同じコイ目コイ科のソウギョとコイの違いについてもおさえておきましょう。
ソウギョ(草魚) | コイ(鯉) | |
原産地 | 中国など東アジア | 東アジア(日本にも古くから) |
体型 | 細長い、流線型 | 丸みを帯びた太い体型 |
体長 | 1m〜1.5m以上になることもある。 | 70cm〜1m程度が一般的。 |
体色 | 銀白色〜緑がかった灰色 | 赤、黒、金、白(観賞用も多彩) |
食性 | 草食性(水草・藻類中心) | 雑食性(虫、植物、デトリタス) |
口の特徴 | 小さく、やや尖っている。 | 口は大きく、ヒゲが2対ある。 |
どちらも河川や湖、池などに生息しています。
またどちらも食用として食されますが、泥臭さがあるため、下処理は必須ですね。
見分けるポイント
体型は、ソウギョはスリム、コイはずんぐり。
食性では、ソウギョは水草専門、コイは何でも食べる雑食。
見た目の違いもわかりやすく、コイは「ヒゲあり」、ソウギョは「ヒゲなし」と覚えておくといいでしょう。
ソウギョの分布
水草の除去を目的として、日本に導入された過去を持つソウギョ。
日本のソウギョの分布についてもおさえておきましょう。
明治時代以降、食用や除草目的で全国各地に放流されたため、現在多くの地域で生息が確認されています。
日本では、東北以南の各地の河川や湖沼にソウギョが生息していますよ。
釣り人
ソウギョの卵は長い距離を流下しながら孵化する特性上、流程の短い河川では海水に流れ着き、卵が死滅してしまうため、自然繁殖が確認されている地域と、されていない地域があります。
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1自然繁殖が確認されている地域
利根川・江戸川水系(関東地方)は、日本国内で唯一、ソウギョが自然繁殖している地域です。
特に埼玉県久喜市の栗橋利根川橋付近では、毎年夏に産卵行動が観察されていますよ。
これは、利根川が長大な河川であり、卵が流下しながら孵化するソウギョの繁殖条件を満たしているためです。
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2放流はされているが自然繁殖が確認されていない地域
利根川・江戸川水系以外の地域は、自然繁殖はされていません。
しかしながら以下の地域には放流されたソウギョが生息しています。
- 本州各地(岐阜県、広島県、山口県など)
- 四国(香川県)
- 九州(壱岐島など)
- 沖縄諸島(沖縄本島、久米島)
- 隠岐諸島
これらの地域では、除草や食用目的でソウギョが放流されていますが、自然繁殖は確認されていません。
ソウギョは長命の魚のため、自然繁殖していない場合も、長くその地域に生息し続けていますよ。

またソウギョは大量の水草を食べるため、放流された地域では水生植物群落の減少や在来魚種の生息環境の変化など、生態系への影響が懸念されています。
ソウギョはどう狙う?
ソウギョとはどんな魚なのかについてご紹介しました。
ではソウギョはどのように狙うといいのかについてここからはみていきましょう。
ソウギョ狙いのポイント
まずはソウギョを狙う際ポイントについておさえておきましょう。
ソウギョのハイシーズンと時間帯
- シーズン:5月から9月。
- 時間帯:気温が上昇する昼間を避け、朝・夕のマズメ刻が効果的。
多くの魚がそうであるように、ソウギョも朝・夕のマズメ刻が釣果をあげやすい時間帯です。
ソウギョの居場所
- 生息環境:河川や池の岸辺に生えるアシなどの草類が豊富な場所。
- 痕跡の確認:緑色の球状のフンが落ちている場所は、ソウギョの活動エリアの可能性が高い。
このような場所を好んで生息しています。
ソウギョは大型のため、岸辺のアシを食べに現れるとガサッと音がする場合もあります。
効果的なエサと釣法
ソウギョを狙う際に効果的なエサと釣り方についてみていきましょう。
釣り方
- 草を使った釣り
- パンを使った釣り
このどちらかの釣法で行うといいでしょう。
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1草を使った釣り(草針仕掛け)
草を使った釣りでは、エサに「アシの葉」や「ホウレンソウ」などの草類を使って釣りをします。
草をフックに装着し、水面に自然に漂わせて誘う釣法です。
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2パンを使った釣り
草を使うほかに、パンをエサに使うこともできます。
パンを使った釣りの場合、食パンを小さくちぎったものをエサとして使用します。
パンを水面に流し、ソウギョの警戒心を解いてから仕掛けを投入し、かかるのを待つ釣法ですね。
草を使った釣りの仕掛け
今回は草ハリ仕掛けについてご紹介いたします。
タックルと仕掛け
- 振出磯竿5号 5.4m
- 両軸リール
- 道糸 ナイロン5号
- オモリ ナツメ型6号
- ゴム管
- スナップ付きスイベル4号
- ハリス ナイロン5号
- ハリ チヌ9号
これらのタックルと仕掛けを使用します。
草を使った釣法では、岸辺へ接岸したソウギョを竿下でねらう釣法です。
岸辺の草をなぎ倒して、葉先を水中に漬かるようにしてポイントをつくるといいでしょう。
エサの葉がポイントの水面に浮かぶように、置きザオにします。

向こう合わせで、ミチイトが走り出してからやり取りするようにしましょう。
おすすめ磯竿
宇崎日新 磯竿 イングラム 遠投 両軸
こちらは宇崎日新の両軸リール用の磯竿です。
ガイド合わせマークや道糸通しがあるので、使いやすい一品。
おすすめ両軸リール
ダイワ ベイトリール 21 タトゥーラ TW 400/400H/400XH 右/左ハンドル
こちらはダイワのベイトリールタトゥーラです。
ビックベイトにも対応できるリールなので、大型のソウギョとのやり取りに最適な一品。

注意点
ソウギョは非常に警戒心が強いため、静かな環境での釣りが求められます。
他の釣り人とのトラブルを避けるため、複数のポイントを把握しておくと良いでしょう。
ソウギョは食べられる?安全性と注意点
ここまではソウギョの釣り方についてご紹介しました。
ここからは食用としてのソウギョについてみていきましょう。
日本ではソウギョは流通していないため、どんな味なのかわからないという方がほとんどですよね。
ソウギョの身は白身でクセが少なく、ふわっと柔らかいのが特徴です。
特に脂がのった腹身は甘みがあり、煮付けや蒸し料理に向いていて、中国やベトナムではよく使われる食材です。
皮目もコラーゲンが豊富で、上手に調理すればプルプル食感を楽しめますよ。
ソウギョ料理はなぜ珍しいのか
中国やベトナムではポピュラーな食材の一つであるソウギョですが、日本ではあまりなじみがないですよね。
それは日本では「川魚=泥臭い」というイメージが強く、敬遠されるためです。
ソウギョはクセの少ない食材なのですが、こういったイメージから扱う機会が少ないのが実情です

食用にする際の注意点(寄生虫・汚染リスク)
ソウギョになじみの少ない日本人ですので、食用にする際に注意しておくポイントについても頭にいれておきましょう。
ソウギョは生食には適していません。
川魚全般に言えることですが、寄生虫(特に肝吸虫や横川吸虫)のリスクがあります。
そのため食べる際には、必ず加熱調理しましょう。
また水質の悪い場所で釣れた個体は、重金属などの汚染リスクもあります。
食用にするソウギョは、清潔な河川や管理池のものを選ぶことが重要です。
<b>食べる前にチェックすべきポイント</b>
- 臭いが強くないか(泥臭さ、腐敗臭)
- 体表に傷やただれがないか
- 目が澄んでいるか(濁っていないか)
これらを確認して、問題なければ調理してOKです。
臭みを消す!ソウギョの下処理方法
ソウギョの泥臭さなどの臭いを消すことで、よりおいしく食べることができます。
ここからは調理の前準備として、下処理のやり方についてみていきましょう。
臭みの原因はどこにある?
まずはソウギョの臭いはなぜあるのかについて最初におさえておきましょう。
泥臭さの原因
- 体内に蓄積された脂肪分
- 血液
- 内臓
これらが臭いの原因です。

ソウギョの正しい血抜き・泥抜き方法
ソウギョの血抜き・泥抜きの手順をみていきましょう。
血抜き・泥抜きの手順
- 釣り上げたらすぐにエラを切り、血を抜く。
- 生きたまま数日間、清潔な水で「泥抜き」する。(絶食させる)
- 内臓を素早く取り除き、流水でよく洗う。
- 塩をたっぷり擦り込み、ぬめりと臭みを取る。
このような手順で血抜き・泥抜きを行います。
釣り人
泥抜きができない場合でも、血抜きと塩揉み洗いだけは必ずしましょう。
臭みを抑える方法
血抜き・泥抜きをしても、ソウギョ独特の臭いがまだ残っています。
そのためその臭いを塩や酒、ハーブなどを使っておさえるとよりおいしくいただくことができますよ。
塩・酒・ハーブ活用法
- 塩をふって30分置き、臭み成分を浮かせてから調理する。
- 酒(または日本酒)を振りかけて10分置く。
- 生姜、ネギ、ローリエなど香味野菜と一緒に調理する。
これらを活用すれば、ソウギョ特有の匂いをほぼ感じなくなります。
初心者でもできる!ソウギョの絶品レシピ2選
ソウギョの下処理の方法についてわかったところで、ここからはソウギョになじみがない方もおいしく食べられる絶品レシピを2つご紹介いたします。
簡単かつ美味しくいただくことができるので、是非参考にしてみてくださいね、
ソウギョの唐揚げ
最初にソウギョの唐揚げのレシピについてみていきましょう。
材料
- ソウギョ 5切れ
- だし(粉末・顆粒タイプ) 小さじ2
- にんにく お好みで
- みりん 大さじ2
- 醤油 大さじ2
- 片栗粉(小麦粉でも可) 適量
- 油 適量
一般的な白身魚の唐揚げを作るレシピでOK。
私も自宅の唐揚げの分量で作ったのですが、美味しくできましたよ。
調理手順
- 三枚おろしにして、一口大にカットする。
- 袋に魚、だし、にんにく、みりん、醤油を入れて揉み込み、少なくとも15分程放置(生姜を入れてもOK。)
- 片栗粉をまぶして、180度の高温で揚げる。
香ばしさとふわっとした身の食感が最高なんですよ。

ソウギョの味噌煮
次にソウギョの味噌煮のレシピについてみていきましょう。
材料
- ソウギョ 2切れ
- ねぎ 1/2本
- しょうが 1/2かけ
- 水 200cc
- みそ 大さじ2
*煮汁
- 酒 大さじ3
- みりん 大さじ2
- 砂糖 大さじ1
- しょうゆ 大さじ1/2
このような材料が必要です。
手順
- ねぎは4cm幅に切る。しょうがは千切りにする。
- フライパンに水を入れて煮立たせ、*煮汁、ねぎ、しょうがを加える。
- 再び煮立たせ、ソウギョを皮を上にして加える。
- 煮汁をかけながら中火で煮る。ソウギョの色が変わってきたら、落としぶたをして弱火で5分程煮る。
- 4にみそを溶き入れて再び落としぶたをし、10分程煮る。器に盛り、ソウギョに煮汁をかける。

またコクのある味噌ダレでしっかりとした味付けが美味しいですよ。
ソウギョは食べられる?絶品料理のレシピと下処理をお教えします!:まとめ
今回はソウギョについてご紹介しました。
日本ではあまりなじみがないのですが、もともといた中国やベトナムではよく食されている魚の一つです。
川魚なので、生で食することはできませんが、きちんと下処理を行えば、絶品料理を作ることができます。
今回ご紹介したレシピを参考にして、是非ソウギョをいただいてみてはいかがでしょうか。