ニシン 釣り

春の風物詩ニシン釣り!始め方と実践テクニックを完全解説!

ニシン釣りってどう始めたらいいの?

このような疑問にお答えします。

北の大地「北海道」で昔から行われてきたニシン釣り。

かつてはニシン漁によって御殿が建てられるほど盛んに獲られてきた魚です。

現在ではかつてほどの漁獲量はないものの、春先に大群でやってくるニシンは風物詩となっています。

今回はそんなニシンについてご紹介いたします。

ニシン釣りの始め方や仕掛けなど、初心者の方でも釣果をあげることができるポイントを解説しますので、是非参考にしてみてくださいね。

ニシン釣りとは?春の風物詩を楽しむ人気ターゲット

最初にニシンとは、どんな魚なのかについてみていきましょう。

ニシンは、冷たい海を好む回遊魚

主に北海道や東北地方の沿岸で、春先に大群でやってくる魚です。

体長は30cm前後、銀色に輝く細長い体をもちます。

ニシンは群れで回遊するため、「当たれば爆釣」といわれるほど数釣りを楽しむことができます。春先に人気のターゲットの一つですね。

春になると産卵のために沿岸に近づき、群れでやってくるため、この時期は「群来(くき)」と呼ばれる大群の産卵行動が見られます。

この群来のタイミングを狙って行うのが、まさにニシン釣りの醍醐味です。

また脂の乗った春ニシンは刺身・焼き・マリネなど、どんな料理にも合う美味しい魚ですよ。

釣りやすく食べても美味しい、まさに季節の風物詩的ターゲットです。

北国で人気が高い理由と釣り文化との関わり

北海道や東北では、古くから「春告魚(はるつげうお)」として親しまれています。

港の常連が集まる、“ニシン祭り”のような雰囲気が味わえるのも魅力。

ファミリー層や、初心者でも楽しめる釣りとして人気が高いです。

ニシンの歴史と文化

北海道では古くから「春告魚(はるつげうお)」と呼ばれ、春の訪れを知らせる魚として親しまれてきました。

かつては明治〜昭和初期にかけて、北海道のニシン漁が大盛況を迎え、「ニシン御殿」と呼ばれる豪邸が建つほどの経済的影響を持っていたことも。

現在は漁獲量が減少していますが、資源回復とともに「釣って楽しむ魚」として人気が再び高まっています

ニシンの分類

ニシンの分類学的位置づけについてもおさえておきましょう。

ニシンは、ニシン目(Clupeiformes)ニシン科(Clupeidae)ニシン属(Clupea)ニシン(Clupea pallasii)に分類される魚です。

同じ仲間には、マイワシ・コノシロ・サッパなど、いわゆる「小型の回遊性魚類」が含まれますよ。

ニシンの学名「Clupea pallasii(クリュペア・パラシー)」は、ロシアの博物学者ピーター・パラスに由来しています。

ニシンは世界的に広く分布する種で、北太平洋や北大西洋の寒冷海域に広く生息しています。

世界的に有名な缶詰、シュールストレミングもニシンを発酵させたものなんですよ。

ニシンの基本的な外見の特徴

ニシンは、全身が銀色に輝く流線型の体型の美しい魚

平均サイズは30〜35cm前後で、成魚になると最大40cmを超える個体もいますよ。

ニシンの外見

  • 体形:細長く、やや側扁(左右に平たい)体型で、群れで泳ぐのに適した流線型。
  • 体色:全体が銀白色で、背中は青緑〜青黒く輝く。
  • うろこ:比較的大きく、手で触ると簡単に剥がれる。釣った後の取り扱いに注意。
  • 目:目が大きく、やや前方寄り。
  • 口:小さめで、下あごが少し出ている。
  • ヒレ:背びれは体の中央寄りで、尾びれは二股に分かれたフォーク型でスピード重視。

このように体全体のフォルムは、まさに「海のミサイル」。

スリムな体形と反射光で敵から身を守りながら、群れで高速に泳ぐための構造をしています。

光の反射によっては、虹色に見えることもある美しい魚ですよ。

見た目はマイワシやコノシロにも似ていますが、細部を観察するとニシンならではの特徴がいくつもあります。

ニシンの色合いと質感の特徴

ニシンの体表は非常に繊細で、まるで銀箔を貼ったような輝きが特徴の一つ。

これはうろこの下にある「グアニン層」と呼ばれる反射層によるもので、太陽光や人工光を強く反射します。

このため、群れで泳ぐと海中でキラキラと光り、その反射光が仲間の位置を知らせる役割も果たしているんですよ。

ニシンの色合いの特徴

  • 光の角度によって青み・緑み・紫みが変化する。
  • 死後はすぐに輝きが失われ、くすんだ銀灰色に変わる。
  • 釣り人が「新鮮なニシンはまるで鏡のよう」と表現するほどの光沢がある。

この光沢こそが、釣り場でニシンを見分ける最大のポイントです。

サイズと成長による見た目の変化

ニシンは成長段階によって、外見が微妙に変化する魚です。

成長段階

  • 若魚(20cm前後):細身で透明感のある銀色で、背中の青みが薄い。
  • 成魚(30〜35cm):背中が濃い青色になり、体に厚みが出る。
  • 大型個体(40cm超):全体が丸みを帯び、うろこがやや粗く見え、体高も増す。

このような違いがあります。

釣り場でサイズによる違いを見分けられると、群れの成熟度や産卵期を判断する手がかりになりますよ。

特に春の群来期には、30cm超の脂の乗った成魚が多く混じるため、食味も釣り味も最高潮です。

 

ニシンと近縁種

ニシン釣りを始めたばかりの方にとって、見分けがつきにくいのが、「コノシロ」や「マイワシ」です。

ニシンとこれらの近縁種の魚の違いについてみていきましょう。

ニシンの特徴

  • 体色:銀色で光沢が強く、背中はやや青みがかる。
  • 体型:細長く、断面はやや扁平。
  • うろこ:比較的大きく、手で触るとすぐ取れる。
  • 口元:下あごがやや出ており、口は小さめ。

「コノシロ」や「マイワシ」よりも、ニシンは背中が青く、体がスリムで、うろこが落ちやすいのが特徴でもあります。

ニシンの仲間たち(近縁種との違い)

ニシン科の魚は、日本近海にも多く生息しています。

見た目も似ているため、混同されやすい魚も。

ニシンとよく似た近縁種の特徴と見分けるポイントをおさえておきましょう。

見分けるポイント

魚種 分布 特徴 見分けるポイント
ニシン(Clupea pallasii) 北太平洋に分布。 体は銀色で細長い。

春に沿岸で産卵。

体がスリムでうろこが落ちやすい

背がやや青い

マイワシ(Sardinops melanostictus) 沿岸性で温帯域に多い。 群れで回遊。 体側に黒い斑点が並ぶ。 口がやや上向き
コノシロ(Konosirus punctatus) 内湾に多い。 成長すると骨が硬い。 尾の付け根に黒斑がある。

体が厚く丸みを帯びる。

サッパ(Sardinella zunasi) 汽水域にも入る。 小型。

体側に縦の銀色ラインが入る。

体長15cm前後

見た目は似ていているものの、釣れる場所・群れの動きなどがそれぞれ異なります。

ニシンは、マイワシやサッパと混在して釣れることがありますが、これらのポイントをおさえておくと判断しやすくなりますよ。

世界のニシンと日本のニシンの違い

実は「ニシン」と呼ばれる魚は、世界的にいくつかの亜種・近縁種が存在します。

日本の沿岸で釣れるニシンは「太平洋ニシン(Pacific herring)」で、北米のアラスカ沿岸〜ロシア沿岸〜北海道までを回遊しています。

一方、ヨーロッパで一般的な「アトランティック・ヘリング(Atlantic herring)」は、北大西洋に分布する別亜種です。

地域 呼び名(学名) 主な分布域
日本・北太平洋 太平洋ニシン(Pacific herring)

Clupea pallasii

北太平洋全域(北海道〜アラスカ)
ヨーロッパ アトランティック・ヘリング(Atlantic herring)

Clupea harengus

北大西洋・北海沿岸
北欧 バルトヘリング(Baltic herring)

Clupea harengus membras

バルト海(低塩分環境に適応)

このように、「ニシン」という名前は総称的に使われていますが、地域によって種が微妙に異なるのがポイントです。

日本の釣りで対象となるのは、「太平洋ニシン(Clupea pallasii)」がほとんどです。

ニシンの系統と進化の面白さ

ニシンは古くから存在する魚類のグループで、約1億年以上前(白亜紀)にはすでに祖先が登場していたと考えられています。

化石記録によると、ニシン類は初期の海洋性回遊魚として進化。

プランクトンを効率よく濾し取るため、口の構造が発達したことがわかっています。

この構造が現代のニシンの「群れで効率よく餌を取る」生態につながっていますよ。

またニシンは体内に「浮き袋」を持ち、深さに応じて浮力を調整できるのも特徴で、表層〜中層の広い範囲を自在に回遊しています。

この生理的な特徴が、群来シーズンの大規模な沿岸接岸行動を可能にしているんですね。

ニシンの旬と釣れるエリア

ニシンは、群れで行動する魚

そのため群れの動き次第で、釣果が大きく変わってきます。

ニシンは水温変化に敏感な魚で、水温5〜10℃前後を好む性質を持ち、季節や時間帯によって接岸・離岸を繰り返します。

主にプランクトンや小型甲殻類を食べ、夜間に表層近くまで上がってくることもありますよ。

ニシンの旬と釣期

ニシンの旬は、春(3〜5月)です。

ニシンは産卵のため、冬から春にかけて沿岸に寄ってきます。

群れで一気に入ってくるため、釣れ始めると入れ食い状態になることもありますよ。

特に水温が、5〜8℃になる頃が最も釣果が上がるタイミング。

産卵のために群れが沿岸に押し寄せます。

この時期は「春ニシン」と呼ばれ、脂がのっていて食味も最高です。

釣り人

釣りのベストシーズンも同様に春ですが、近年は温暖化の影響で12月〜翌年4月ごろまで釣果が安定する地域もあります。一方で、秋にも小型の群れが回遊することがあり、「秋ニシン」を狙うのもおすすめですね。

ニシンの釣れるエリアと時期

ニシンの釣れるエリアと時期についてもおさえておきましょう。

北海道・東北エリア別の釣期カレンダー

  • 北海道(小樽・苫小牧・留萌など):3月〜5月
  • 青森・岩手・宮城:2月下旬〜4月頃

これらがニシンを狙うのに適した時期です。

北海道の定番ポイント

  • 小樽港:常夜灯周りが特に実績高い
  • 苫小牧西港:群れが入りやすく足場も良い。
  • 留萌港・増毛港:春の産卵期に大型が接岸。

このような場所が北海道でのニシンの有名なポイントです。

東北地方の人気釣り場

  • 青森・八戸港:早春から数釣り可能
  • 宮古・釜石港:防波堤から狙える好ポイント

東北では、このようなポイントでニシン釣りを楽しむことができます。

稀に秋ニシン(9月〜11月)も回遊しますが、春の回遊群が最も安定した釣果を得やすく、特に3〜4月の小樽港は毎年大混雑するほどの人気です。

一言メモ

春・秋では、ニシンの回遊パターンは異なります。

春は産卵のため浅場へ寄り、秋は小型中心の回遊群。

春はサイズ・数ともに狙える最盛期です。

朝マズメ・夕マズメ・夜などの時間帯

ニシンの釣れる時間帯についても知っておきましょう。

ニシンはマズメ刻や夜に狙いやすい魚です。

  • 朝マズメ:群れの入りが早く、最も釣果が安定。
  • 夕マズメ:光量の変化で一気に食いが立つ
  • 夜釣り:ライトに寄る群れを狙える(特に港内)

時間帯によって、狙い方が異なりますが、よく釣れる時間帯です。

時間帯だけでなく、海況も大きな要素です。風が岸に向かって吹く「向かい風の日」はプランクトンが寄り、ニシンも接岸しやすいですよ。

 

ニシン釣りに必要なタックルと仕掛け

画像引用:turisinHP

ここからは実際にニシンを狙う際のタックルと仕掛けについてみていきましょう。

ニシンを狙うには、手軽なサビキ釣りがおすすめです。

撒き餌やコマセかごの餌で自然にニシンが寄ってきてくれるので、簡単に釣り上げることができますよ。

基本タックル構成

  • ロッド:磯竿3号(4~5m)
  • リール:2500〜4000番スピニングリール
  • ライン:PE1号、またはナイロン3号程度
  • サビキ:5~8号のスキンサビキ、またははげ皮付きサビキ
  • 集魚ライト
  • コマセかご(オモリ内蔵)
  • 投光器
  • 撒き撒き餌

このようなタックルと仕掛けを使用します。

釣り人

集魚ライトは仕掛けの上に付けてもOKですが、ライト自体の重さや水の抵抗で当たりが取りづらいため、仕掛けの下に付けるといいでしょう。

またニシンの夜釣りをする場合には、投光器が必須

投光器は海面を照らし集魚効果があるほか、小さな当たりで発生するラインの微妙な変化を捉えるのにも役立つため、夜釣りをするなら持っていきましょう。

おすすめロッド

シマノ 磯竿 17 ホリデー磯 

こちらはシマノの磯竿、ホリデー磯です。

サビキ釣りに向いている扱いやすい竿で、コストパフォーマンスのよい一品。

私もサビキ釣りの際によく使っていますが、軽く、扱いやすいので気に入っています。

おすすめリール

ダイワ スピニングリール 18 レガリス LT 

こちらはダイワのスピニングリールレガリスです。

見てよし、持ってよし、回してよしの3拍子揃ったリールです。

扱いやすさと汎用性抜群のリールで、一つ持っていると大活躍間違いなし。

私も使っていますが、ドラグ性能や重量のバランスの良い使いやすいリールだと感じています。

おすすめ仕掛け

ハヤブサ サビキ 仕掛け  ニシン 6本針 ケイムラ仕様【北海道限定】

こちらはハヤブサのニシン用に作られたサビキ仕掛けです。

ニシン用と言われるだけあって、大物のニシンに対しても安心して使うことのできる一品。

私もニシン釣りの際によく使っていますが、これで爆釣したことがありますよ。

スレた時のポイント

ニシンは大量の撒き餌によって食い気が落ちてしまい、スレてしまうことがよくあります。

そんな時は、サビキ仕掛けから素バリ仕掛けにかえ、スピードエサ付け器でオキアミを擦り付けると効果的。

仕掛けはエサが落ちないようにゆっくり投入し、基本は置きザオで様子をみましょう。

状況次第で誘いをかけると釣果をあげやすくなりますよ。

 

春の風物詩ニシン釣り!始め方と実践テクニックを完全解説!:まとめ

今回はニシン釣りについてご紹介しました。

ニシンは古くから「春告魚」として北海道や東北で愛されてきた魚の一つです。

大群で岸に回遊してくるため、群れに当たれば初心者でも爆釣も可能。

釣法はサビキ釣りにすることで、初心者でも釣果をあげやすいので、是非チャレンジしてみてはいがかでしょうか。

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