このような疑問にお答えします。
春や冬に旬を迎える「カサゴ」や「アラカブ」。
釣り人にはポピュラーな「アラカブ」ですが、一般の方の中には知らないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は「カサゴ」と「アラカブ」は同じ魚です。
今回はそんな「カサゴ」と「アラカブ」について深堀していきたいと思います。
なぜ「カサゴ」と「アラカブ」は呼び名が違うのか、またその釣り方についてもご紹介いたします。
「カサゴ」と「アラカブ」について知って、もっと釣りを楽しみましょう。
目次
アラカブとカサゴの名前はなぜ違う?
最初に「アラカブ」と「カサゴ」とはどんな魚なのかについてみていきましょう。
しかし地域によって、異なる呼称が使われていて、同じ魚であっても「アラカブ」、「カサゴ」と別名称で呼ばれています。
この魚は「カサゴ」が正式名称。
「アラカブ」と呼ばれるのは九州地方で、この地域では「カサゴ」はあまり使われていません。
名前と地域差
- カサゴ:一般的な標準和名で、関東地方や多くの地域でこの呼び名が使われる。
- アラカブ:九州地方、特に福岡や佐賀などで「カサゴ」のことを「アラカブ」と呼ぶ。
カサゴは、地域によって異なる呼称を持つ魚です。
九州地方では「アラカブ」、四国では「ホゴ」、その他の地域でも「ガシラ」や「オコゼ」と呼ばれることがあります。
釣り人
カサゴの名前は、頭部の形状が笠(かさ)に似ていることから「カサゴ」と呼ばれるようになったと言われていますね。
アラカブという呼び名の歴史的背景
九州、特に福岡や佐賀、長崎では「カサゴ」のことを「アラカブ」と呼びます。
この名称は、江戸時代から九州で使われていて、古くからの方言がそのまま根付いたものと考えられています。
また、九州ではカサゴが身近な食材であったため、地元で独自の呼称が発達したという説もあります。
食文化と名前への影響
カサゴ(アラカブ)は日本沿岸でよくとれる魚のため、古くから地域の食文化に根付いています。
カサゴ(アラカブ)は煮付けや唐揚げなど、さまざまな料理に使われてきました。
そのため、食文化が魚の名称にも影響を与え、地域ごとに異なる呼称が定着する一因となっています。
九州の「アラカブ」は、家庭の料理で広く親しまれており、地元名がそのまま定着したと考えられます。
また江戸時代には海産物の流通が限られていたため、地元で捕れた魚に対して、独自の呼称が自然に定着していったという背景もあります。
アラカブとカサゴとはどんな魚?
アラカブとカサゴは同じ魚であるものの、名前がなぜ違うのかについてご紹介しました。
ではアラカブやカサゴとはどんな魚なのか、ここからはみていきましょう。
釣り人
カサゴ(アラカブ)は、フサカサゴ科に属する海水魚で、日本沿岸から東アジアにかけて分布しています。
岩場や海底に棲む「根魚(ねざかな)」の一種で、体がゴツゴツとしているのが特徴の魚ですね。
カサゴ(アラカブ)の特徴と外見
カサゴ(アラカブ)とはどんな魚なのか、その特徴と外見についてみていきましょう。
外見と特徴
- 体長:一般的には15〜25cm程度。(大きいものでは30cmほどに成長。)
- 体色:茶色や赤みを帯びた色。(岩場や海藻に溶け込むような保護色)
- 棘(とげ):頭や背びれには鋭い棘が多い。
カサゴ(アラカブ)には鋭いとげが多数あり、これが外敵から身を守る役割を果たしています。
釣りの際に触ると怪我をすることがあるため、素手で触らず、魚ばさみを使うようにしましょう。
カサゴ(アラカブ)の生態
次にカサゴ(アラカブ)の生態についてみていきましょう。
生息地
浅い岩場や砂利の多い海底、テトラポッド周辺などに生息。
特に障害物の多い場所を好み、岩陰や海藻の間に潜んでいます。
習性
カサゴ(アラカブ)は夜行性の魚です。
昼間は岩陰に隠れて休み、夜になるとエサを求めて活動を開始します。
そのため夜釣りはおすすめの時間帯で、ヒット率が高くなりますよ。
食性
カサゴ(アラカブ)は、小魚、エビ、カニなどを食べる肉食性の魚です。
狙った獲物を素早く捕食します。
カサゴを狙う場合には、アオイソメや切り身、オキアミなどを使うと効果的ですね。
岩場や堤防などの足元で簡単に釣れるため、手軽に楽しむことができますよ。
また、煮付けや唐揚げ、味噌汁など美味しくいただけることから、釣り人にとっては「釣って楽しく、食べて美味しい」一石二鳥のターゲットです。
カサゴ(アラカブ)を狙う季節と時間帯
ここまでは、カサゴ(アラカブ)とはどんな魚かについてみていきました。
では実際カサゴ(アラカブ)を狙う際には、どんな時期がいいのかについてみていきましょう。
カサゴ(アラカブ)のハイシーズン
カサゴ(アラカブ)のハイシーズンは、一般的に春から初夏(3月〜6月)と秋から冬(10月〜12月)の時期です。
特に春は産卵を控えた個体が活発にエサを求めるため、釣果をあげやすい時期となります。
また、秋から冬にかけては水温が低下してくるとともに、カサゴやアラカブの活性が上がりやすいですよ。
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1春〜初夏(3月〜6月)
春は産卵のためのエネルギーを蓄えるため、カサゴやアラカブが活発にエサを探します。
また、温かい気候の影響で浅場に移動するため、岸からの釣りでも狙いやすくなりますよ。
夜行性ですが、この時期には日中でも釣れることが多くなります。
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2秋〜冬(10月〜12月)
秋から冬は、寒さが厳しくなるとともに魚の活性が上がり、エサを積極的に食べようとするため、釣果があげやすくなります。
特に水温が下がると浅場に集まりやすく、夜釣りに出るとさらに釣りやすくなりますよ。
岩場やテトラポッド周辺、防波堤から狙うとヒットしやすいですよ。
胴付き仕掛けなどでの底を意識した釣りが有効です。
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3真夏(7月〜9月)
水温が高くなると、カサゴやアラカブはやや深場に移動することが多くなります。
そのため岸近くでの釣果は少し下がってしまうでしょう。
この時期は、船釣りでやや深場を狙うのがおすすめです。
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4真冬(1月〜2月)
カサゴ(アラカブ)は、水温が低すぎると活性が下がってしまいます。
そのためカサゴ(アラカブ)の習性に合わせて、夜釣りや深場狙いがおすすめです。
釣り人
カサゴやアラカブは通年狙える魚ですが、特に釣りやすいのは春から初夏と秋から冬。
シーズンに応じて釣り方を工夫すると、より釣果を上げることができますよ。
カサゴ(アラカブ)を狙う時間帯
カサゴ(アラカブ)を狙うのに最適な時間帯についてみていきましょう。
カサゴ(アラカブ)は夜行性の魚のため、日が沈む夕方から夜にかけて活発にエサを求めて動き出します。
そのため夕方から夜間にかけて狙うのがおすすめです。
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1夕まずめ(夕方)
他の多くの魚にも言えることですが、カサゴ(アラカブ)も夕まずめ(夕方の16時〜19時頃)に活性が高くなりはじめ、釣果をあげやすくなります。
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2夜釣り
夜間(19時〜翌朝3時頃)は夜行性であるカサゴ(アラカブ)の活性が最も高くなり、障害物の陰から出てエサを探しだす時間帯です。
根魚であるカサゴ(アラカブ)は、夜になると浅場や岸近くの岩場、テトラポッド周辺に集まってきます。
岸からも十分に狙うことができるでしょう。
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3朝まずめ(早朝)
カサゴ(アラカブ)は夜行性のため、夜明け前後の朝まずめ(早朝の4時〜7時頃)も狙い目。
夜通しで動き回っていたカサゴ(アラカブ)がエサを最後に捕食するため、ヒット率が高いですよ。
カサゴ(アラカブ)の狙い方
カサゴ(アラカブ)を狙いたいシーズンや時間帯についてご紹介しました。
では実際にカサゴ(アラカブ)を狙うためには、どんな釣り方がいいのかについてみていきましょう。
カサゴ(アラカブ)の狙い方
- 穴釣り(ブラクリ仕掛け)
- 探り釣り(胴付き仕掛け)
- ぶっこみ釣り(ぶっこみ仕掛け)
これらの釣り方で釣るのがおすすめです。
カサゴ(アラカブ)は、ハイシーズン以外にも釣ることができるので、これらの釣り方で一年中楽しむことができます。
穴釣り(ブラクリ仕掛け)
出典引用:THURIHACK
最初に穴釣りの仕掛けについてみていきましょう。
穴釣りは、ブラクリと呼ばれる仕掛けにエサを付け、テトラポットや防波堤の隙間などに落としてい釣る手法です。
テトラの隙間などは、カサゴの好む場所なので、上から落ちてくるエサによく反応してくれますよ。
逆に反応が無い場合には、仕掛けを落とす場所を変え、どんどん探っていくようにするといいでしょう。
穴釣りの仕掛け
- 穴釣り用ロッド(90~1.5m)、または6ft程度のルアーロッド
- 穴釣り用両軸リール、または小型ベイトリール、小型スピニングリール
- ナイロンライン2~3号(50㎝程度)
- ブラクリ仕掛け(3~4号)
- エサ(アオイソメ、切り身、オキアミなど)
このような仕掛けを使用します。
穴釣りの仕掛けは、構造がシンプルで扱いやすいのが特徴。
釣り初心者の方にもおすすめの釣り方ですね。
釣り人
ブラクリ仕掛けの重さを、軽くすると喰いが良くなります。反対に、水深が深い場所や潮が速い時は重たいものを使用するといいでしょう。
おすすめの仕掛け
ハヤブサ 直撃 ガンガン攻めるバリューブラクリ 5セット HE106-5
こちらはハヤブサのブラクリ仕掛けです。
5個入りなので、根掛かりして仕掛けをロストしてしまっても、安心な一品。
また重さも選べるため、水深や潮の流れの速さによって、号数を変えるようにしていますよ。
探り釣り(胴付き仕掛け)
出典引用:THURIHACK
次に探り釣りの仕掛けについてみていきましょう。
探り釣りでは、2~3本の枝鈎がついた胴付仕掛けを使って、カサゴ(アラカブ)を狙っていきます。
探り釣りの仕掛け
- 磯竿(2~3号)、エギングロッドなど
- スピニングリール(2500番程度)、または小型ベイトリール
- ナイロンライン(2~3号)、またはPEライン(0.6~1号)
- 市販の根魚用胴付仕掛け
- オモリ(5~10号程度)
- エサ(アオイソメ、切り身、オキアミなど)
このようなタックルや仕掛けを使用します。
胴付仕掛けは縦に長いため、堤防の壁際などに沿わせるイメージで使うと効果的ですよ。
釣り人
仕掛けを底まで落としたら、ゆっくり竿を上げ下げして、カサゴ(アラカブ)誘っていきます。
穴釣り同様、反応があるまでは堤防の壁際をどんどん探り歩いていくといいでしょう。
胴付仕掛けは、カサゴ(アラカブ)以外の魚もよく釣れる仕掛けです。
さまざまな魚を釣りたい方にもおすすめの釣り方ですね。
おすすめの仕掛け
オーナー 胴突波止カサゴ 完全セット M−3657
こちらはオーナーの波止エリア用の胴突き仕掛けです。
カサゴを狙う用に仕掛けが設計され、根掛かり軽減パイプが付いているのが嬉しい一品。
仕掛けにエサを付ければすぐに使えるため、初心者にも扱いやすくおすすめです。
ぶっこみ釣り(ぶっこみ仕掛け)
出典引用:THURIHACK
最後にぶっこみ釣りの仕掛けについてみていきましょう。
ぶっこみ釣りは、中オモリ式の仕掛けを投げ込み、アタリがあるまでそのまま待つ釣り法です。
穴釣りや探り釣りと異なり、置き竿でゆっくり釣りを楽しむことができますよ。
ぶっこみ釣りの仕掛け
- 磯竿(3号前後)
- スピニングリール(2500番前後)、小型ベイトリール
- ナイロンライン(3~4号)
- 中通しオモリ(10~15号程度)
- サルカン
- フロロカーボンハリス(2~3号を1m)
- チヌ針(3~4号)
- エサ(アオイソメ、切り身、オキアミなど)
このような仕掛けを使用します。
お子さんとのファミリーフィッシングなどにもおすすめですよ。
カサゴ(アラカブ)以外にも、アナゴやチヌ、スズキなどの大物がかかる可能性も秘めています。
おすすめの仕掛け
ハヤブサ コンパクトロッド かんたんぶっこみ釣りセット HA179
こちらはハヤブサのぶっこみ釣り用の仕掛けセットです。
海中で仕掛けが立つようになっていて、底狙いから少し上の層まで狙うことができる一品。
中層には小鈎、底は大鈎設計になっています。
おすすめ鈴
ダイトウブク 鈴ホタルS-小 (2ヶP)
こちらはダイトウブクの竿先につける鈴です。
待つ釣りであるぶっ込み釣りは、竿先にセットする鈴を用意しておくと◎。
鈴をつけておくことで、アタリがあったときに竿先が動くと音で知らせてくれますよ。
アラカブとカサゴの違いは呼び方だけ!知っておきたい基礎知識:まとめ
今回は、アラカブとカサゴについてご紹介しました。
地域によって、カサゴは異なる呼び名で呼ばれており、アラカブも同じ魚です。
秋から冬、春から初夏にハイシーズンを迎えるカサゴ(アラカブ)はこれからが美味しい季節です。
堤防などからも狙うことができるので、是非カサゴ(アラカブ)釣りを楽しんでくださいね。