ウッカリカサゴ 釣り

「ウッカリカサゴ」とはどんな魚?「かさご」との違いはこれ!

ウッカリカサゴってどんな魚?「カサゴ」とは違うの?

このような疑問にお答えします。

一年中楽しむことのできる釣り。

釣り上げた時も達成感がありますし、その魚を食べてもおいしく、最高のアクティビティですよね。

私も堤防や河川、湖など様々なエリアでいろいろなターゲットを狙って一年中楽しんでいます。

今回はそんな釣りのターゲットの一つ、「ウッカリカサゴ」について深堀していきたいと思います。

「ウッカリカサゴ」はあまりなじみがないという方もいらっしゃるかと思いますが、釣る楽しみだけでなく、食べておいしく、栄養満点の魚です。

また「うっかり」という変わった名の由来や、「カサゴ」とどう違うのかなどをご紹介いたします。

「ウッカリカサゴ」を釣る際の仕掛けもあわせて紹介いたしますので、是非参考にしてみてくださいね。

 

「 ウッカリカサゴ」ってどんな魚?

「ウッカリカサゴ」とは、どんな魚なのかについてみていきましょう。

ウッカリカサゴの分類

「ウッカリカサゴ」は、どんな分類の魚なのかについて最初におさえておきましょう。

百科事典で調べてみると、

ウッカリカサゴ(英語表記)ukkari scorpionfish

[学] Sebastiscus tertius

硬骨魚綱カサゴ目フサカサゴ科に属する海水魚。

北海道以南の日本各地、東シナ海、朝鮮半島に分布する。

本種は、長い間カサゴ(和名カサゴSebastiscus marmoratus)と混同されていたように、両種はきわめてよく似ている。

しかし、ウッカリカサゴは体に暗色~褐色の縁取りのある淡色の斑紋(はんもん)があり、側線の上方にも及ぶこと、胸びれ軟条は普通19本以上あることなどの特徴で、カサゴと区別できる。

両種は遺伝的にも異なることが明らかにされた。

ウッカリカサゴという和名は「研究者が、この魚をウッカリしてカサゴと混同していた」ことから付けられた。

体色は橙、赤、紅、暗褐色など変化に富む。

通常は水深30~100メートルの岩礁域に生息し、大形魚ほど深みにすむ。

一般にカサゴよりも深いところを好む。

おもに甲殻類、魚類、イカ類などを食べる。

仔魚(しぎょ)を産む卵胎生魚。体長は50センチメートルを超える。

底引網、底延縄(はえなわ)、釣りなどで漁獲される。肉はしまった白身で淡泊。

煮付け、鍋(なべ)、刺身などにすると美味。小形魚はから揚げや汁物にする。

出典引用:コトバンク(小学館 日本大百科全書(ニッポニカ))

このように解説されています。

カサゴと分類は同じ。

一見すると区別がつかないほど、よく似ている魚です。

カサゴ同様、味もおいしいので、様々な料理を楽しむことができますよ。

ウッカリカサゴの名前の由来は?

ウッカリカサゴを知らない人にとっては、正式な名前は他にあるように感じてしまいますが、これは正式名称です。

英語名でも「ukkari」とついていますね。

正式名称なのに、「うっかり」なんて名前がなぜついているの?

と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。

実は同属種である「カサゴ」と長い間同種とされてきたくらいよく似ていて、ウッカリするとカサゴと間違えてしまうことが名前の由来となっているのです。

「カサゴ」とは、体表にある斑点模様に縁取りがあるなどの違いがありますよ。

ウッカリカサゴの生態

カサゴ目フサカサゴ科に属する魚の一種であるウッカリカサゴの生態についてみていきましょう。

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生息エリア

ウッカリカサゴの生息エリアをおさえておきましょう。

日本近海、東シナ海沿岸などの温帯域に広く生息しています。

日本では、九州から北海道までの沿岸部に生息していますよ。

生息場所

  • 主に岩礁や砂泥底に生息。
  • 比較的浅い水深から深海(約200メートル)まで幅広く分布します。

日本では、九州から北海道までの沿岸部に生息しているため、ほとんどの沿岸で狙うことができますよ。

またウッカリカサゴは、環境変化に対する適応能力が高いのも特徴。

適応能力の高さから、広範囲にわたって生息していますが、環境汚染や、乱獲などの影響を受けやすいです。

絶滅危惧に瀕しないためにも、持続可能な漁業管理を行うことが重要です。

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生物学的特徴

ウッカリカサゴの外見や特徴についてみていきましょう。

外見

  • 体長が30cm前後。(大物では50㎝ほどになるものもいる。)
  • 色は赤褐色から茶褐色で、不規則な斑点模様
  • 頭部が大きく、棘が多い

このような特徴があります。

生態

  • 昼間は岩陰などに隠れ、夜間に活動して捕食を行う夜行性
  • 肉食性。(小魚や甲殻類、軟体動物が主な餌)
  • メスの体内で孵化させて、稚魚になってから海に放つ卵胎生

このような性質を持ちます。

ウッカリカサゴは、高タンパクで低脂肪、ビタミンやミネラルが豊富なので、食材としての魅力もたっぷりです。

特に、ビタミンDやカルシウムが多く含まれており、健康にも良いですよ。

クセのない淡白な白身なので、煮物や焼き物にするとおいしいです。

身が締まっていて、刺身もおすすめですね。

 

ウッカリカサゴとカサゴはどう違う?

ウッカリカサゴとはどんな魚なのかについておさえたところで、「カサゴ」と「ウッカリカサゴ」の違いについてみていきましょう。

「ウッカリカサゴ」は、最初は「カサゴ」と同じ魚と思われていたほど、見た目や生態が似ています

どちらもカサゴ目フサカサゴ科に属する魚ですが、いくつか異なる点がありますので、ここからは具体的に違いについて解説していきます。

名前の由来と意味の違い

最初に名前の由来の違いについてみていきましょう。

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ウッカリカサゴの名前の由来

先ほども述べたように、研究者が、この魚をウッカリしてカサゴと混同していたことから名付けられたのが名前の由来とされています。

またウッカリカサゴは「うっかり」予期せず釣れることが多いのも理由の一つなんだとか。

釣り人

分類される前までは、カサゴとして扱われていたほどなんですよ。

通称ではなく、正式名称に「うっかり」とついているのが面白いですね。

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カサゴの名前の由来

本物のカサゴの名前の由来についてもみていきましょう。

カサゴは、頭部の形状が笠(かさ)に似ていることから、「笠子(カサゴ)」と呼ばれるようになったと言われています。

 外見の違い

次にそれぞれの外見の違いについてみていきましょう。

体長 形状
ウッカリカサゴ 30cm程度から、ものによっては50㎝ほどに成長。 カサゴよりもやや明るい赤褐色

カサゴ同様に斑点模様があるが、斑点のパターンや色の濃淡が異なり、かさごよりはっきりしている

カサゴに比べて体は少し長め

頭部の棘の配置や形状がカサゴとは微妙に異なる

カサゴ 30cm前後まで成長。 体色は赤褐色や茶色が主体。

体全体に不規則な斑点がある。

体は短く、厚みがある。

頭部には多数の棘がある。(眼の上が顕著)

このような違いがあります。

色や斑点などの違いはありますが、よく見ないとわからないものばかり。

私も最初は見分けがつかず、よく間違えていましたね。

生態の違い

次に生態の違いについてみていきましょう。

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ウッカリカサゴの生態

引用:Instagram

ウッカリカサゴの好む生息地は、岩礁地帯や砂泥底

カサゴよりもやや深い水深、最大で200m程度の深海にも生息が可能です。

夜行性で、夜間に活動が活発になります。

私も水深が50m~100mほどの中深海エリアで、一度50㎝近い大物を釣り上げたことがあります。

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カサゴの生態

 

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引用:Instagram

カサゴの好む生息地は、岩礁地帯や堤防周りなど、浅い沿岸部です。

水深は比較的浅く、20~50m程度

夜行性で、昼間は岩陰に隠れ、夜間に捕食するために活動します。

分布地域

ウッカリカサゴとカサゴの分布についてもおさえておきましょう。

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ウッカリカサゴ

日本全土の沿岸部を含む、広範囲に分布

カサゴと重なる地域だけでなく、より広範囲に分布し、冷たい海域にも生息しています。

ウッカリカサゴは環境適応能力が高いため、カサゴより広い範囲で生息が可能なんですよ。

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カサゴ

日本全土の沿岸域を含む、広範囲に分布しています。

ウッカリカサゴよりも、暖かい海域を好み生息しています。

カサゴのほうが、生息エリアは狭いものの、日本ではほとんどの沿岸で釣ることができます。

漁獲方法と調理方法の違い

ウッカリカサゴとカサゴの漁獲方法と調理方法の違いについてみていきましょう。

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ウッカリカサゴ

ウッカリカサゴの漁獲方法とおすすめ調理法をご紹介いたします。

漁獲方法

  • 釣り
  • 底引き網

このような方法で、獲ることができます。

またウッカリカサゴは、いろいろな調理法で食べることができます。

おすすめ調理法

  • 煮付け
  • 焼き物
  • 唐揚げ
  • 刺身

など、さまざまな料理でおいしく食べることができますよ。

白身は特に煮付けや焼き物で食べるのが、私のお気に入りです。

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カサゴ

次にカサゴの漁獲方法とおすすめ調理法をご紹介いたします。

漁獲方法

  • 釣り
  • 底引き網
  • 定置網

これらの方法で漁獲することができ、釣りの対象として人気があります。

またカサゴも、ウッカリカサゴ同様、いろいろな調理法でおいしく食べることができます。

おすすめ調理法

  • 煮付け
  • 焼き物
  • 唐揚げ
  • 刺身

など、さまざまな料理を楽しむことができます。

このように、カサゴとウッカリカサゴは見た目や生態に似た点が多いものの、細かな違いがあります。

これらの違いをしっかりおさえておくことで、釣りや料理の際により正確に扱うことができるでしょう。

 

ウッカリカサゴの仕掛け

ここまでは、ウッカリカサゴとはどんな魚か、またカサゴとの違いについてみていきました。

では実際ウッカリカサゴを狙う際には、どんな釣り方がいいのか。

また仕掛けはどんなものを使ったらいいのかについてみていきましょう。

ウッカリカサゴの狙い方

ウッカリカサゴは、秋から冬にかけてが旬の魚です。

この時期に根魚五目釣り*や、泳がせ釣りで狙うといいでしょう。

ウッカリカサゴは旬を逃したとしても、一年中釣ることができるのがいいところです。

ウッカリカサゴは、水深が深い場所に生息していることが多いので、船釣りがおすすめですよ。

船釣りでは、船長さんがよく釣れるポイントに連れて行ってくれるほか、アドバイスなどもしてくれることがあります。

船長さんの指示に従って、行うようにしましょう。

ウッカリカサゴの仕掛け

画像引用:釣りあしすと

実際にウッカリカサゴを狙う時のタックルについてみていきましょう。

タックルと仕掛け

  • ヒラメロッド(またはライト泳がせロッド)全長2.2~3.0m
  • 小型電動リール(道糸が200m以上巻けるもの)
  • 道糸(PE2~4号)200m
  • フロロカーボン製ハリス(幹糸で使用)8~10号 
  • フロロカーボン製ハリス(幹糸~針間で使用)6~8号 
  • ハリス(捨て糸で使用) 4~5号
  • サルカン 3~5号
  • スナップ付きサルカン 5~6号
  • 親子サルカン 3×4~4×5号
  • ソフトビーズ 1~2号
  • 針(チヌ6~10号、伊勢尼12~14号)を1~2本
  • おもり(60~100号)

基本はこれらを使用しますが、仕掛けの種類によっては、回転ビーズを使うのも有効です。

釣り人

市販されている仕掛けを使う場合は、ヒラメ用のものがベスト。

カサゴ用の仕掛けは、小型のものを対象に作られているため、中深海の大型ウッカリカサゴを狙う際には、適していません。

ウッカリカサゴを狙う際には、仕掛けは自作するか、市販のものを使うならヒラメ用のものを使うようにしましょう。

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ロッド

ウッカリカサゴを狙った釣りで使いたいロッドについてみていきましょう。

ロッドの種類

  • ヒラメロッド
  • ライト泳がせロッド
  • 中深場ロッド
  • 汎用船釣りロッド

これらのロッドを使うことができます。

硬めのヒラメロッドや、ライト泳がせロッドが扱いやすいと私は感じています。

水深の深いポイントを狙う場合もあるので、中深場ロッドもOK。

汎用船釣りロッドを使用する場合は、全長2.2~3.0m程度のものがおすすめです。

ロッドの調子は7:3~6:4あたりを使うと使いやすいですよ。

また仕掛けのオモリに耐えうるロッドを選ぶようにしましょう。

おすすめロッド

ダイワ 汎用船竿 シーパワー73

こちらはダイワの汎用船竿です。

軽量で扱いやすいのが特徴の一品。

価格も15000円程度とお手頃なのも嬉しいところ。

初心者の方や、サブのロッドとしておすすめですよ。

私も持っていますが、さすがダイワ。お手頃価格なのに、あたりもわかりやすく使いやすいと感じています。

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リール

ウッカリカサゴを狙う泳がせ釣りでは、手持ちでアタリを待つスタイルの釣りなので、あまり大きなサイズのリールはNG

道糸を200m以上巻く事のできる、小型電動リールか両軸リール、ベイトリールを使用しましょう。

ウッカリカサゴは、最大で200m程度の深海にも生息できるので、ポイントによっては、水深100m付近まで狙う場合も。

水深が深いポイントを狙う場合には、電動リールを使用するといいでしょう。

私はダイワのリールを使用しています。

ダイワの場合は200~400番、シマノは600~2000番のリールを選ぶといいですよ。

おすすめ電動リール

ダイワ 電動リール レオブリッツ S400

こちらはダイワの電動リールです。

コンパクトですが馬力もあるので、大型のウッカリカサゴでも、安心して釣ることができます。

扱いやすいので、電動リールを初めて使うという方にもおすすめな一品。

持ち重りがないので、扱いやすく、中深海を狙う時にはいつも大活躍しています。

コストパフォーマンスがよいリールだと私は感じています。

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道糸の選び方

道糸は、PEラインの2~4号を使用します。

中深海まで狙うこともあるので、最低200mはリールに巻いておくようにしましょう。

また大物がかかる場合もあります。

しっかりと結んでおくことも重要です。

おすすめ道糸

放浪カモメ オリジナル PEライン 釣り糸 エクストラパワー

こちらは放浪カモメのPEラインです。

素材には、超強力ポリエチレン繊維「ダイニーマ」を100%使用。

また紫外線等による劣化を防ぐマルチコートにより、ライン強度の低下を抑え、初期性能を長期間維持できる一品。

表面が滑らかで、毛羽立ちにくいこちらのラインは、PEラインにありがちな「エアーノット、ガイドがらみ、バックラッシュ」がおきにくくなっています。

とにかくコストパフォーマンスが最高なので、私もよく使っています。

太さや長さのラインナップも豊富なのが嬉しいですね。

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幹糸

幹糸には、8~10号のハリスを使うといいでしょう。

素材はフロロカーボンがおすすめ。

フロロカーボンハリスは、根ズレに強いため、ウッカリカサゴや根魚を狙う際に私はよく使っています。

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幹糸につけるハリス

ハリスは6~8号を使用します。

長さは幹糸よりも短い50~100㎝が目安

素材は幹糸同様、根ズレに強いフロロカーボンを選ぶといいでしょう。

おすすめハリス

ダイワ フロロライン ディーフロン船ハリス200FX

こちらはダイワのフロロカーボンハリスです。

通常販売されているハリスは100mほどですが、こちらは200mの長さがあるのが嬉しいところ。

しなやかで使いやすいので、私もよく使っています。

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ウッカリカサゴを狙う仕掛けに使う、針についてみていきましょう。

使いたい針の種類

  • チヌ6~10号
  • 伊勢尼12~14号

これらの針を1~2個つけるといいでしょう。

船が混みあっている時や、風が強いなどの場合には、1本針仕掛けが扱いやすくおすすめ

針が少ないことで、トラブルを起こしにくくなりますよ。

おすすめ針

ささめ針 DGT31 極チヌ 

こちらはささめ針のチヌ針です。

ケイムラフッ素加工されているので、水中で妖しく発光して魚を誘う一品。

貫通力も抜群なので、ばらしにくいと私は感じています。

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オモリ

オモリは、60~100号を使用します。

ただしオモリの号数は、時期や地域、船宿で決められている場合があるので注意が必要です。

事前に船宿に確認しておくといいでしょう。

おすすめ仕掛け

ヤマシタ ヒラメ仕掛 HRR1A 7-6-7

こちらはヤマシタのヒラメ用の仕掛けです。

ヒラメ用に作られた仕掛けですが、ウッカリカサゴを狙う際にもおすすめ。

小さなアタリもわかりやすく、扱いやすいので、こちらの仕掛けもよく使っています。

これらがウッカリカサゴを狙う際に使いたい仕掛けです。

基本はヒラメ釣りと同じと考えておけばOK。

根掛かりが多い場所での釣りなので、仕掛けは多めに用意しておくといいでしょう。

 

「ウッカリカサゴ」とはどんな魚?「かさご」との違いはこれ!:まとめ

今回は「ウッカリカサゴ」とはどんな魚なのかについてご紹介しました。

ネーミングから面白いこの魚は、釣ってよし、食べてよしのいいところだらけ。

カサゴよりも大物を狙うこともできるので、狙ってみてほしい魚です。

五目釣りや泳がせ釣りで、釣ることができる「ウッカリカサゴ」。

是非ゲットしてみてくださいね。

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