このような疑問にお答えします。
獰猛なことで知られるピラニア。
アマゾン川に生息するピラニアは、鋭い牙を持った獰猛な魚です。
そんなピラニアを捕食する魚が「ヴァンパイア・フィッシュ」です。
日本には生息していない魚なので、聞いたことがない方もいらっしゃるかと思います。
ヴァンパイアの名がついている通り、「ヴァンパイア・フィッシュ」はピラニアよりもさらに鋭い牙をもつ魚なんですよ。
見た目のインパクトも大きく、現地で釣り上げたものをSNSであげている方も。
今回はそんな「ヴァンパイア・フィッシュ」とはどんな魚なのかについてご紹介いたします。
1mを超えることもある大型魚ですが、自宅で観賞魚として飼うことも可能です。
ヴァンパイア・フィッシュについて知って、もっと釣りを楽しみましょう。
目次
ヴァンパイア・フィッシュとは?
まずはヴァンパイア・フィッシュとは、どんな魚なのかについてみていきましょう。
ヴァンパイア・フィッシュの正式名称は、ペーシュ・カショーロ(学名:Hydrolycus scomberoides)。
カラシン目キノドン科に属する熱帯魚です。
ペーシュ・カショーロは、現地では「パラヤ」とも呼ばれています。
2本の長い牙が名前の由来
ヴァンパイア・フィッシュは、下顎から生える二本の長い牙が特徴の魚です。
正式名称である「ペーシュ・カショーロ」の名前は、ポルトガル語で、犬の魚(ペーシュ=魚、カショーロ=犬)という意味なんだとか。
また通称である「ヴァンパイア・フィッシュ」の名前においても、この牙が吸血鬼の牙に似ていることからそう呼ばれています。
長い牙の特徴
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ヴァンパイア・フィッシュの長い牙は、口を閉じているとみることができません。
一度ヴァンパイア・フィッシュを見たことがある方は、
と疑問に思う方もいらっしゃるはず。
ヴァンパイア・フィッシュの大きな特徴である、長い牙の秘密についてもみていきましょう。
特徴
- 長い牙を収めるために、上顎には穴が空いている。
- 折れたり、抜けたりしてもすぐ生え変わる。
- 長い牙で獲物に噛みつき、一度牙が刺されば外れない。
これらがヴァンパイア・フィッシュの長い牙の特徴です。
下顎の長い牙は、15㎝ほどあるものもいるのだそう。
そんな長い牙も上顎に穴が空いているため、普段はそこに収納されていて、口を閉じていると、鋭い牙があるとは感じることができないんですね。
鋭く長い2本の牙でピラニアを捕食するヴァンパイア・フィッシュですが、基本的に人間を襲うことはありません。
待ち伏せて獲物を捕食するタイプの魚なんですよ。
とはいえ、安易に手を近づけると嚙まれてしまう場合もありますので、十分注意が必要です。
ヴァンパイア・フィッシュの外見と生態
ヴァンパイア・フィッシュの生態について、ここからはみていきましょう。
ヴァンパイア・フィッシュの見た目は?
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ヴァンパイア・フィッシュとはどんな見た目をしているのか、その特徴についてみていきましょう。
ヴァンパイア・フィッシュの外見の特徴
- 体色は銀色。
- 鰓蓋後方と胸鰭基部に暗色の斑点がある。
- 尾鰭は前半分が暗色で、後半分は透明。
- 大きいものでは、体長1mを超えるものもいる。
ヴァンパイア・フィッシュ(ペーシュ・カショーロ)は、このような見た目をしています。
メモ
近縁種のレッドフィンペーシュ・カショーロ (Hydrolycus armatus )は、名前の通り、ひれを含めた全身が赤茶色。
ヴァンパイア・フィッシュに比べるとレッドフィンペーシュ・カショーロは大型で、尾びれの先端が尖っています。
またドラド・カショーロ (Rhaphiodon vulpinus )はタチウオのように強い金属的な光沢を帯びているのが特徴です。
ヴァンパイア・フィッシュの生態
ヴァンパイア・フィッシュの生態についてもみていきましょう。
生息エリア
- アマゾン盆地のアマゾン川。(ブラジル、ボリビア、エクアドル、ペルー)
- オリノコ川流域。(ベネズエラ)
これらのエリアに、ヴァンパイア・フィッシュは生息しています。
アマゾン盆地は、アマゾン川流域に広がる盆地であり、全体の40%がブラジル、ボリビア、エクアドル、ペルーを含む熱帯雨林地帯です。
またベネズエラのオリノコ川も世界3位の水量を誇り、支流まで含めた流域はベネズエラの国土の75%にも及ぶ大きな川です。
ヴァンパイア・フィッシュはこのような大きな川に見合う大きな体が特徴ですね。
捕食方法
ヴァンパイア・フィッシュは、待ち伏せ型の捕食者です。
ヴァンパイア・フィッシュの主なターゲットは、ピラニアなどの小魚。
あまり泳がず、頭を下に向けて川の中層に通りがかった小魚を待ち伏せて、瞬間的に捕食します。
ヴァンパイア・フィッシュを狙うには?
日本には生息していないヴァンパイア・フィッシュ。
鋭い牙と、大きな体を持つヴァンパイア・フィッシュは怪魚といっても過言ではありません。
そんな夢を持つ釣り人も多いのではないでしょうか。
南米まで渡航しなければならないため、ハードルは高いものの、いつか行くときのためにどんなタックルを用意しておけばいいのかをおさえておきましょう。
ヴァンパイア・フィッシュの生息地への行き方
ヴァンパイア・フィッシュを狙うためには、まずその生息地をしっかりおさえ、そこへの行き方をしておく必要があります。
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1ヴァンパイア・フィッシュの生息地
先程も述べたように、ヴァンパイア・フィッシュは、限られたエリアにのみ生息する魚です。
ヴァンパイア・フィッシュの生息エリア
- アマゾン盆地のアマゾン川。(ブラジル、ボリビア、エクアドル、ペルー)
- オリノコ川流域。(ベネズエラ)
ヴァンパイア・フィッシュはこれらのエリアに生息しています。
アマゾン川流域は、年中多雨で高温。
そのため流域には常緑樹林が密生したセルバ(熱帯雨林)が広がっています。
アマゾンの気候は、雨季と乾季に分かれています。
これによって天候だけでなく、川の水位も変わってくるため注意しましょう。
アマゾンの気候
12月~5月下旬にかけてが雨季。
6~10月頃が乾季。
雨季である3~7月頃には、アマゾン川の水位が最高位に上昇します。
また乾季である8~2月頃は、低水位期で、12月頃に最低水位となります。
釣りや動物ウォッチングをしたいのであれば、低水位期に渡航しましょう。
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2アマゾン川、オリノコ川への行き方
日本の裏側と言われるブラジル。
アマゾン川は日本の裏側、ブラジルを含む南アメリカを流れる川です。
またベネズエラを流れるオリノコ川も同様に南アメリカを流れています。
これらの川へ釣行に行く場合には、渡航する必要がありますが、道のりは容易く無いため注意しましょう。
注意点
- そもそも日本から、ブラジルやベネズエラまでの直行便がない。
- ブラジルやベネズエラに到着後、国内線に乗り換えたり、陸路で川を目指す必要がある。
- アマゾン玄関口のマナウスからはボートでアマゾン川支流にあるエコロッジに向かう。
このようにアマゾン川やオリノコ川へ向かうためには、アメリカやヨーロッパ、中東などを経由してブラジルやベネズエラに到着する必要があります。
日本を出てからアマゾン川へ到着するまで、2〜3日かかると考えておきましょう。
虫よけスプレーはしておくほか、長袖、長ズボンの着用、抗マラリア薬の予防接種や破傷風などの渡航前に予防接種を受けておくようにしましょう。
タックル選びのポイント
ヴァンパイア・フィッシュ釣りでは、1m以上の個体が掛かる可能性があります。
ロッドはスピニングタックルでもベイトタックルでもOKですが、パワーがあるものを選びましょう。
おすすめタックル
- GTロッド、怪魚ロッド。
- ラインはメインにPE6号以上。
- リーダーは130ポンド程度。
- リールも十分なラインキャパと巻き取りパワーがある大型。
これらのポイントをおさえたものを選ぶといいでしょう。
おすすめロッド
アブガルシア ワールドモンスター シリーズ
こちらはアブガルシアのワールドモンスターシリーズのベイトロッドです。
いつでも、どこでも 世界の怪魚をターゲットに、ルアーゲームを楽しめるように設計された一品。
ヴァンパイア・フィッシュを十分に狙うことのできるパワーを兼ね備えています。
おすすめリール
シマノ ベイトリール カルカッタコンクエスト
こちらはシマノのベイトリールです。
カルカッタコンクエストは、ソルト用ベイトリールで評価の高いインフィニティドライブが搭載された一品。
回転抵抗が少なく、巻き上げの感度、パワー、フィーリングがいいですよ。
ヴァンパイア・フィッシュを狙う際には、ミノーを使ってトゥイッチングするのがおすすめなんだそう。
激流の中だとしても、野生のヴァンパイア・フィッシュは確実にミノーをバイトしてくれます。
アタリは多いので、釣り上げることができると経験者の方が言っていました。
ヴァンパイア・フィッシュの飼育
ここまではヴァンパイア・フィッシュを狙うための方法についてご紹介しました。
とはいえアマゾンまでいくのはちょっと大変。
日本でヴァンパイア・フィッシュを楽しみたい方には、「飼育」するのがおすすめです。
ここからはヴァンパイア・フィッシュの飼育方法についてみていきましょう。
飼育に必要なものとは?
まずはヴァンパイア・フィッシュを飼育する際に必要になるものについて、おさえておきましょう。
飼育に必要なもの
- 120cm以上の水槽
- ポンプ
- 生餌(メダカ・小赤・姉金など)
これらが必要になります。
ヴァンパイア・フィッシュは、大きく成長する魚です。
そのため飼育するためには、120cm以上の水槽を用意するようにしましょう。
ヴァンパイア・フィッシュに必要な飼育環境とは?
ヴァンパイア・フィッシュの飼育に必要な環境についてみていきましょう。
餌は切り身などではなく、生きた魚(メダカ・小赤・姉金)を用意して与えます。
生きた餌を水槽にいれることで、ヴァンパイア・フィッシュは勝手に捕食してくれますよ。
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1飼育環境①混泳
ヴァンパイア・フィッシュは凶暴そうに見えますが、口に入らない魚は基本的に餌としません。
気性もさほど荒くないですし、口に入らない大きさの魚は捕食しないため、他の大型魚との混泳も可能です。
しかしながらヴァンパイア・フィッシュは待ち伏せて餌を捕食するため、うまく食べられない場合もあります。
他の魚を混泳させる場合には、注意しましょう。
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2飼育環境②水温
熱帯雨林に生息するヴァンパイア・フィッシュは、水温が低いと弱ってしまいます。
水温は23~26℃に保つようにし、生息地に近い環境作りをするようにしましょう。
販売しているお店では、魚が弱らないよう環境づくりをしています。
自分で調べてもわからない場合には、お店で確認するといいでしょう。
おすすめ水槽
GEX AQUARIUM マリーナガラス水槽120cmスリム MR-19N 黒枠ガラス水槽
こちらはジェックスの120cmサイズの水槽です。
本体サイズ (幅X奥行X高さ) は、120×45×45cm。
成長するヴァンパイア・フィッシュの飼育にもピッタリのサイズです。
ヴァンパイア・フィッシュってどんな魚?その生態に迫ります!:まとめ
今回はヴァンパイア・フィッシュとはどんな魚なのかについてご紹介しました。
鋭い二本の牙やピラニアを捕食すると聞くと、獰猛な魚のように感じますが、実は気性はさほど荒くない魚です。
日本には生息していないため、釣りたい場合にはアマゾンまで渡航する必要がありますが、自宅で飼育が可能です。
ヴァンパイア・フィッシュについて理解を深め、自宅で飼育してみてはいかがでしょうか。