このような疑問にお答えします。
堤防や砂浜、また湖や河川で楽しむことのできる釣り。
釣りは、様々な釣り方やターゲットを狙うことができるのが魅力ですよね。
大物が釣れると、これは記念を残しておきたくなるもの。
気軽に取ることのできる写真もいいですが、「魚拓」を残しておくのもおすすめです。
とはいっても、「魚拓はとるのが難しそう。」、「準備が面倒そう。」と感じる方もいらっしゃるかと思います。
私も実際やってみるまで、「魚拓はちょっと難易度が高い。」と思っていました。
しかしやり方を知ってしまえば簡単で、気軽に楽しむことができますよ。
今回は簡単にチャレンジすることのできる「魚拓」の取り方についてご紹介いたします。
やり方を知って、是非挑戦してみてくださいね。
魚拓って何?
釣具屋などに飾ってあることもある「魚拓」。
まずは「魚拓」とは何かについておさえておきましょう。
魚拓とは
魚拓とは何か、辞書で最初に確認してみましょう。
ぎょ‐たく【魚拓】 の解説
魚の拓本。
魚に直接墨を塗ってから紙・布を置いてこする直接法と、貼りつけた紙の上から墨や絵の具をつけたたんぽでたたいてとる間接法がある。
出典引用:goo辞書
辞書で調べると、このように解説されています。
釣った魚に墨や絵の具を塗り、和紙や布などを当て、魚を転写させたものを「魚拓」と言うんですね。
釣り上げた魚を原寸大で記録することが出来るのが、「魚拓」の魅力。
魚拓はなぜ生まれた?
そもそも魚拓はなぜ作られるようになったのでしょうか。
魚拓の始まりについてみていきましょう。
魚拓の発祥地
魚拓は江戸時代に始まったと考えられています。
発祥の地は、出羽国田川郡庄内(現在の山形県鶴岡市)を本拠地とした庄内藩。
日本で現存最古のものは、天保10年(1839年)2月に現在の東京都墨田区錦糸町付近で釣られた鮒の魚拓「錦糸堀の鮒(ふな)」とされています。
当時は黙々とサカナを釣る様子が、武士の道にも通じ、鍛錬にはもってこいと考えられていました。
釣り人
大きな獲物が取れた際は、「討ち取った敵将の首」に見立てて、魚拓にして藩主に献上されたこともあったそうですよ。
魚拓の種類
魚拓は、いろいろな方法で取ることができます。
魚拓の取り方
- 直接法
- 間接法
- デジタル
このような方法があり、それぞれ特徴が違います。
それぞれの取り方の特徴についてみていきましょう。
直接法
墨や絵の具を魚に直接塗って、紙や布に転写する方法。
直接墨や絵の具を塗るため、
- 手軽に試すことができる。
- 迫力のある魚拓が取れる。
ことがメリット。
間接法
魚に直接、紙や布をあて、その上から墨や絵の具を塗ってとる方法。
硬貨を写し取る時のように、対象物の上に紙を乗せ、鉛筆や色鉛筆でこすると、数字や文字が 見えてくるのと同じ原理ですね。
直接法に比べ技術が必要ですが、複数の色を使い分けることが出来るのがメリット。
間接法は鰈は鰈、平目は平目にと正確に取れるほか、細かいところまで、記録に残すことができるのもいいところです。
同じ魚体の魚拓を何度も取って、アートとして楽しむのも面白いと私は感じています。
デジタル
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引用:Instagram
デジタル魚拓は、スマートフォンなどで撮った写真をPCで加工し、実寸大で印刷する方法です。
最新の加工技術を使うことで、
- 左右を反転させる。
- 曲がった体や、尾の位置、寝ているヒレを伸ばす。
これらが可能になるのが、デジタル魚拓のメリット。
自分で画像を加工して作ることもできますが、サイズが大きいものやより精密な加工をしたい場合には、専門の業者に頼むのもおすすめです。
おすすめ魚拓サービス
Re:fish
Re:fishは、スマホやデジカメで撮影した魚の写真を加工して、オリジナルの魚拓を作ることのできる業者です。
デジタルならではの美しさや、背景にもこだわることができるのが魅力。
直接法や間接法の魚拓もいいけれど、デジタルはより精密で、美しいのがよいと言っていました。
墨や絵の具で!魚拓にチャレンジしてみよう
魚拓とはどんなものか、また種類についてみていきました。
ここからは墨や絵の具を使って、自分で魚拓をとる時のやり方についてご紹介致します。
自分でとることのできる魚拓の方法
- 直接法
- 間接法
先程もご紹介したように、墨や絵の具を使った魚拓は、この2種類の方法でとることができます。
デジタルも、画像の加工などが得意な方にはおすすめですが、大きなものは、自宅のプリンターで印刷できないので、今回はこの2つの方法についてご紹介いたします。
直接法
まずは直接法の取り方についてみていきましょう。
直接法は、魚体に墨などを塗り、和紙などの紙を上から押し当てる方法です。
用意するもの
- 魚
- 墨汁
- 筆(ハケ)
- 硯
- たわし
- スポンジ
- 新聞紙、ダンボール
- タオル、キッチンペーパー
- 和紙(障子紙、ふすま紙)
- ティッシュ
これらの道具が必要になります。
釣り人
魚拓をとるための魚は、できるだけ釣りたてで、しっかり締めてあるものを使用しましょう。
時間がたったものを使用すると、死後硬直のため、うまく紙を押し当てることができません。
格好いい魚拓をとるためにも、死後硬直が始まる前の魚がおすすめです。
また使用する和紙、墨汁、筆などは、百均にあるものでOK。
そのほかの道具も家にあるものでできるので、気軽に試してみてくださいね。
やり方
- 魚拓を取りたい魚の表面のヌメリをたわしで軽くこすり、水で流す。(ヌメリが強い場合は、塩をかけてこするのがおすすめ。)
- 完成時に魚拓がにじまないよう、タオルやキッチンペーパーで、魚の水分を十分に拭き取る。(水分が残りやすい口の中、エラなども細かく水分を取り除く。大型の場合は鼻の穴や肛門なども注意。)
- 新聞紙や段ボールを数枚敷き、その上に腹部を下、頭部が右(ヒラメは左)を向くように魚を置く。
- 魚のヒレが立つように、背ビレ、臀ビレの裏側にティッシュなどを当てて固定してする。(はみ出さないよう注意する。)
- 墨汁を少し水で薄める。
- 魚の「頭部」、「体の上半分」、「各ヒレ」の3つの部分に墨を塗る。(目と体の下半分には墨は塗らない。)
- 墨を塗った「頭部」、「体の上半分」、「各ヒレ」を、スポンジで軽く叩く。(スポンジで叩く事で、筆の跡(スジ)が無くなり、うろこの模様が良く出る。)
- 一通り塗った個所を叩いたら、塗っていない下半分のエリアをその墨のついたスポンジで、叩く。
- スポンジで叩いて墨をつけた魚に、口元がきれいに写るよう、尻尾から頭部の方へ順に紙を押さえながら和紙をのせる。(頭部から尻尾に向けてのせてしまうと、口元のあたりがべったりとして不鮮明になってしまうので注意。)
- 写したら、筆で和紙に直接目を描き入れる。
- すべて乾いたら完成。
このような手順で行えばOKです。
こういった情報を記入することで、より思い出に残りますよ。
ポイント
作業をする場所は、屋内がおすすめ。
屋外で行う場合には、塗った墨がすぐ乾いてしまうので、風や直射日光が強く当たる場所はNG。
風の当たらない日陰で行うといいでしょう。
おすすめ墨汁
呉竹 清書用墨滴 180ml
こちらは呉竹の墨汁です。
私は書道の際に、よく使っているのですが、にじみもせず、濃さもちょうどいい一品。
書き心地もよく、お値段もお手頃なので、リピート購入しています。
間接法
もう一つの「間接法」のやり方についてみていきましょう。
間接法は、魚に和紙などの紙を載せて、その上から墨や絵の具などを落として着色する方法です。
間接法魚拓は、鱗がはっきりして、平べったい魚(真鯛など)が、初心者の方にはおすすめですね。
用意するもの
- 魚
- 墨、絵の具(日本画用)
- 硯
- 絵の具皿
- 筆
- へら
- 和紙(画仙紙、美濃和紙)
- タンポ(輪ゴム、青梅綿、布で作成)
- 発泡スチロールの板
- タオル、キッチンペーパー
- 和紙(障子紙、ふすま紙)
- ピンセット
- ドライヤー
- 霧吹き
- 糊
- スポンジ
- ハサミ、カッター
- ティッシュ
このような道具を使用します。
テルテル坊主を作るように布に綿を詰めて、輪ゴムで止めるだけでできますよ。
やり方
- 魚の下処理として、ヌメリをたわしで軽くこすり、水で流す。(ヌメリが強い場合は、塩をかけてこする。)
- 完成時に魚拓がにじまないよう、タオルやキッチンペーパーで、魚の水分を十分に拭き取る。(水分が残りやすい口の中、鼻の穴や肛門なども注意して水分を取り除く。エラにはティッシュをつめておく。)
- 発泡スチロール板を敷き、その上に腹部を下、頭部が右(ヒラメは左)を向くように魚を置き、しっかりと固定する。
- しわにならないよう注意して、拓紙を貼る。(普通の糊を水で薄めて魚に塗り、その上から紙を置き、霧吹きで紙を濡らせて密着させる。)
- きれいに貼ったら、若干湿った状態までドライヤーで乾かす。
- 墨、絵の具の準備。(使う絵の具(5色程度)を絵皿に出し、水で薄める。)
- 絵皿で色をつけたタンポで頭から尾に向けて連続して、下地の色を着色する。(別の紙で空打ちして、安定してから行う。)
- 新しいタンポに替え、次の色を塗り重ねていく。(頭から側線の少し下あたりまで。)
- 魚の色や模様を見て、その色を塗り重ねる。
- 頭や背びれなど強調したい場所に、色を塗り重ねる。
- すべて塗り終えたら、破れないよう紙をはがす。(はがしにくいときは、作品がにじまないようドライヤーで乾かした後、霧吹きで濡らしてはがす。)
- 墨をつけた筆を使って、目を入れる。
- 完全に乾いた後、裏打ちをして完成。
このような手順で、作ることができます。
ポイント
初心者におすすめの真鯛の場合、以下のような順番で色を乗せるのがおすすめ。
- 胡粉+群青少々(多くの魚の下地になるもの。)
- 黄土(頭から側線)
- 朱(真鯛の赤いところ)
- 胡粉+群青(目の後ろおよび体側のコバルトブルーの斑点)
- 紫(頭部および背びれ)
- 赤(胸鰭、尾鰭)
- 墨(全体、特に頭部、背部に打って全体をしめる。)
着色するときは背中は濃く、腹部にいくにしたがって薄くなるように意識しましょう。
おすすめ画仙紙
和紙のイシカワ 和紙ロール 雅心 181-A 画仙紙 生 5枚入
こちらは和紙のイシカワの画仙紙です。
書道や水墨画などに適した画仙紙は、魚拓を取るのにもちょうどいいですよ。
比較的薄手なので、魚にもフィットしやすく、使いやすい一品。
おすすめ日本画用絵の具
丹羽 日本画用絵具 丹羽 新日本画絵具 小12色 5cc
こちらは丹羽の日本画用の絵の具です。
水彩画用の絵の具のように、練り上げて作られているので、使い方も簡単になっている一品。
日本古来の風味のある色合いが、使っていてとても良かったです。
より手軽に楽しむことのできる「直接法」、少し技術がいるものの細かいところまで表現できる「間接法」は、このような手順で取ることができます。
釣りを楽しんだ記録として残るのがいいと子供も楽しんでいますよ。
意外と簡単?魚拓の取り方をマスターして、釣った魚を飾っちゃおう!:まとめ
今回は、魚拓のとり方をご紹介しました。
なかなかハードルが高いように感じる魚拓ですが、やり方を知ってしまえば案外簡単に取ることができます。
釣った魚を写真で記録に残すのもいいですが、魚拓として残すのも味があっていいものです。
ご紹介した方法を参考にして、魚拓にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。