このような疑問にお答えします。
大自然のなかで行う鮎釣り。
鮎釣りは釣りができる期間が決められているため、解禁される時期が近づくと、私は待ち遠しくていつもそわそわしています。
鮎は見た目も美しく、食べてもおいしく、魅力いっぱいの魚ですよね。
私は初めて鮎釣りに行った際に、現地で塩焼きを食べて、そのおいしさに感動しました。
そんな鮎釣りは、山あいに近い川で行うため、装備や服装も海釣りとは異なります。
私の友人は海釣りにいくような軽装で行ってしまって、転んでけがをしてしまったことがあります。
安全に鮎釣りを楽しむために、今回は鮎釣りに行く際に着用しておきたい服装についてご紹介いたします。
鮎釣りに適した服装を知って、もっと釣りを楽しみましょう。
目次
鮎とは?
鮎釣りは、日本の河川で行われる釣りの中でも特に人気が高い釣りの一つです。
「清流の女王」とも呼ばれる鮎は見た目も美しく、きれいな川にしか生息しません。
また独特の香りと味を楽しむことができ、多くの釣り人に愛されています。
鮎ってどんな魚?
鮎とはどんな魚なのかについておさえておきましょう。
鮎の外見
体形 | 鮎の体は細長い流線型。
頭から尾にかけてなだらかなカーブを描いている。 |
大きさ | 成魚の全長は15~25cm程度。
大型になると30cm以上に達するものも。 重さは100~200g程度。 |
色合いと模様 | 背中は黒っぽい緑色や青みがかった灰色で、川底や岩と調和する保護色。
体の側面は銀色で光沢があり、川の中でキラキラと輝くほか、側線に沿って、黄緑色や金色の淡いラインが見える。 腹側は白っぽく、全体的に明るい色。 |
細長い流線型の体は、水中で素早く泳ぐのに適しており、流れの速い川でも機敏に動くことができますよ。
また頭部や口回りも特徴的です。
頭部
頭はやや小さく尖った形状で、口は下向きに開いていて(下顎が上顎より短い)、川底の石についたコケを削り取って食べている。
口回り
鮎の口には歯の代わりにヤスリのような突起があり、これを使って石についた藻類(コケ)を削り取るように食べている。
頭部・口回りは、コケを食べやすいような形状になっています。
季節による変化
鮎は季節によって、本来の姿から変化するのも特徴の一つです。
春に放流された稚魚(若鮎)は、初夏の頃まではサイズが小さく、体の色は薄くて透明感があります。
成長するにつれて色が濃くなり、背中や腹部のコントラストがはっきりしてきますよ。
産卵期(秋~冬)には、体の色が全体的に黄色や金色がかり、美しい「婚姻色(こんいんしょく)」が現れます。
特に雄は側面の黄色が強くなり、繁殖期特有の体形に変化していきます。
鮎の生態
鮎の生態について、ここからはみていきましょう。
鮎の生息地と生態
生息地 | 日本全国の清流や中小規模の川に生息。
綺麗な水でしか生息できない。 |
習性 | 川の石に付着したコケを食べる。
「縄張り性」を持つ魚で、自分の縄張りを守るために侵入者を追い払おうとする攻撃性がある。 |
寿命 | 鮎は1年で一生を終える「一年魚」。
春に孵化し、夏に成長し、秋に産卵して死んでしまう。 |
このような習性を持つ鮎は、寿命が1年と短い魚です。
鮎釣りが解禁されている時期にしか、なかなか見ることはできませんが、季節ごとに体色が変わったりと見た目の美しさもファンが多い理由の一つと言えるでしょう。
鮎の釣り方
鮎とはどんな魚なのかについてわかったところで、鮎の釣り方についてみていきましょう。
鮎釣りはいろいろな手法で行うことができます。
鮎の釣り方
- 友釣り
- ドブ釣り
- 餌釣り
これらの方法で行うことができます。
友釣りとは?
鮎の釣り方の中でも、最もポピュラーな「友釣り」についてみていきましょう。
友釣りは、鮎の縄張り意識を利用した釣り方です。
オトリ(生きた鮎)を釣り竿につけ、川に放ち、縄張りに侵入したオトリに対して攻撃してきた鮎を釣り上げる方法ですね。
そして釣れた鮎を次のオトリとして使うことを繰り返して釣りをします。
友釣りに必要な道具
- 竿(友釣り竿)7~10m程度。
- 仕掛け*
- オトリ鮎
- オトリ缶
- 通い筒
- 友舟
- タモ
これらを準備する必要があります。
また具体的な仕掛けに必要なものは以下の通り。
*仕掛け
- 天上糸:ナイロン0.8号を4〜4.5m。
- 水中糸:ナイロン0.25〜0.3号を5m前後。
- ハリス:フロロカーボン1号を30〜40㎝。
- 目印:3~4個。
- 針:逆針2~3号、3本イカリまたは4本イカリ7号。
このような仕掛けで行います。
釣り人
おとり鮎は、生きたものを使用する必要があるので、釣り場で購入するか、自分で事前に釣ったものを使用しましょう。
オトリが元気=釣果に繋がりやすいため、オトリ鮎の管理は重要になります。
友釣りはアユの縄張りを求めてポイントを探し歩く釣りです。
そのためオトリ缶を置いた場所から離れてしまうこともあるため、鮎がヒットする度に、オトリ缶の場所まで戻らなくて済むように、「引き舟」または「友舟」とよばれる容器に釣り上げた魚を入れるといいでしょう。
おすすめ鮎竿
ダイワ 鮎竿 アバンサー 早瀬抜 85M
こちらはダイワの鮎竿アバンサー早瀬抜です。
軽量さ、感度、パワーを兼ね備えた一品。
フィールドを問わず幅広く使えるオールラウンド先調子モデルです。
おすすめオトリ缶
ダイワ 餌箱 鮎 友カン ブラック/イエロー GX-1500
こちらはダイワのオトリ缶です。
2段階開閉式の小蓋が、オトリ投入に便利な一品。
縦置き・横置き問わずにおくことができるのも嬉しいところです。
おすすめ通い筒
シモツケ 下野プラ通い筒
こちらはシモツケの通い筒です。
25㎝ほどの長さの筒なので、大型でない限りスッと鮎を入れることができますよ。
おすすめ友舟
ダイワ 友舟 GX-420W/560W 各種 (2025年モデル)
こちらはダイワの友舟です。
鮎は友舟に入れた後、窓を開けるとその光の方向に飛び出してしまう習性がありますが、この暴れん坊窓のうっすら空いた光に鮎は慣れて飛び出さなくなるという画期的な一品。
また二段階開閉式のフタは鮎を出し入れしやすいのが嬉しいところです。
後部に排水口があるので、水の循環がよくなり、内部が高温にならないようになるのもいいですね。
身に着けたまま岩場に引き舟がぶつかってしまうと、鮎を驚かせてしまいますし、流れが速い個所では、引き舟に体が引っ張られてしまうため、動きにくくなってしまいます。
外す際は、流されないように岩などに結んでおくといいでしょう。
鮎釣りのシーズン
鮎釣りのシーズンは、地域や河川によって異なりますが、5月~10月頃です。
それぞれの河川で解禁日が定められており、それ以前に釣りをするのは絶対にNG。
鮎釣りが可能になる解禁日から釣りをするようにしましょう。
解禁日の目安
- 早い解禁:5月下旬~6月初旬(岐阜県・長良川など)
- 一般的な解禁:6月中旬(関東や東北の河川)
- 遅い解禁:7月上旬(北日本や標高の高い地域)
解禁日は多くの釣り人が集まるため、オトリ鮎の入手方法や鮎専用の道具(友釣り竿、仕掛けなど)の点検、解禁日当日の釣り場情報収集や遊漁券の購入などを事前に行っておきましょう。
鮎釣りシーズンの流れ
時期 | 特徴 | 釣り方 |
解禁時期(初夏:5月~6月) | 各地で鮎釣りが解禁されるタイミング。
放流された稚鮎が成長し始める時期。 魚が小さく、初心者でも釣りやすい。 水温が上がり始め、活性が高まる鮎が多くなる。 |
小型の鮎を狙うため、細い仕掛けや小さめの鈎が◎。 |
盛期(夏:7月~8月) | 鮎が成長して大きくなり、釣り人にとって最も楽しい時期。
サイズは15~20cm程度まで成長。 縄張り意識が強くなり、友釣りでのヒット率が高まる。 |
鮎の行動範囲が広がるため、オトリの操作技術が重要になる。
朝夕が釣りやすく、昼間は日差しが強いので日除け対策が必要。 |
終盤(秋:9月~10月) | 鮎は産卵期に入り、縄張り意識が弱くなる。
釣れる鮎は大型化する(20~25cm超)。 魚体が落ち着き、数釣りは難しくなるが、大型狙いの釣りが人気。 |
繊細な操作よりも、群れの鮎を狙う方法が中心。
水温の低下や天候によって釣果が大きく左右される。 |
このようにシーズンごとに特徴や狙い方も異なるのが鮎釣りの面白いところです。
地域別の鮎釣りシーズン例
- 岐阜県(長良川)のシーズンは、5月下旬〜10月中旬で、友釣りの聖地で観光客も多いのが特徴。
- 栃木県(那珂川)のシーズンは、6月上旬〜10月下旬で、初心者でも楽しめるポイントが多い。
- 高知県(四万十川)のシーズンは、6月中旬〜10月上旬で、清流のシンボル的な川で、鮎のサイズが大きい。
- 福井県(九頭竜川)のシーズンは、6月中旬~10月中旬で、盛夏には大型の鮎が狙えるスポット。
鮎釣りの服装
鮎釣りをする際の服装について、ここからはみていきましょう。
川に立ち入るのが基本の鮎釣りでは、サンダルにTシャツ、といった軽装備でいくのはNGです。
コケの生えた岩場などでは、滑りにくいフェルト加工された靴を履き、川に立ち入るためにタイツなどを着用する必要があります。
昔ながらの菅笠(すげがさ)や腰蓑(こしみの)などを着用する必要はありませんが、頭にはツバ付きの帽子、上には短いフィッシングベスト、下には専用のタイツとフェルト底の靴を用意すると安全に楽しむことができます。
伝統的な鮎釣りの服装
最初に伝統的な鮎釣りの服装についてみていきましょう。
鮎釣りは、日本で古くから行われてきた伝統的な釣り文化です。
そのため現代のように専用の釣り道具や防水装備がない中で、自然と調和した実用的な服装が発展しました。
その伝統的な服装には、機能性と地域特有の文化が反映されています。
伝統的な鮎釣りの服装アイテム
- 菅笠
- 藁草履(わらぞうり)
- 木綿の服
- 腰巻・腰蓑
- 笹舟・竹籠
これらを着用して鮎釣りを行っていました。
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1菅笠(すげがさ)
菅笠は、稲わらや竹を編んで作られた笠のことです。
稲わらや竹でできているため、日差しを遮りながらも通気性がよいのが特徴。
渓流と違い、ひらけた川辺や水辺で行う鮎釣りにおいては、強い日差しから頭部を守るアイテムが必須です。
そのため菅笠は、現代の帽子の代わりに使用されていました。
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2藁草履(わらぞうり)
藁草履は、稲わらを編んで作られた草履のことです。
水中での歩行をサポートする履物で、足裏で川底の感覚を確かめやすく、滑りにくいのが特徴。
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3木綿の服
木綿の服は、動きやすく、水濡れしても乾きやすいのが特徴です。
木綿の着物や作務衣のような服装が一般的。
ゆったりとした形状で通気性が良く、体を冷やしすぎない工夫がされていたり、裾をまくりやすい構造で、川に入っての作業に適するように作られていたようですね。
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4腰巻・腰蓑(こしみの)
腰巻・腰蓑は、腰に巻く藁製の防水・保温アイテムのことです。
腰巻・腰蓑の効果
- 腰から下を覆い、濡れても冷えにくくする。
- 川から上がった際の体温保持。
腰巻や腰蓑を身に着けることで、身体を冷えから守っていたそうです。
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5笹舟(ささぶね)や竹籠
笹舟や竹籠は、捕った鮎を入れておく道具です。
竹籠や笹舟を腰に装着して携行していました。
現代の友舟と似たアイテムで、釣った鮎を川で新鮮な状態に保つことができます。
釣り人
伝統的な鮎釣りの服装は、機能的によく考えられて作られているのがわかりますね。
また山間部や平野部など、エリアによっても服装が多少異なったそうです。
- 山間部の服装は、水温が低いため、保温性を重視した重ね着や腰蓑を多用。
- 平野部の服装は、日差しが強いため、菅笠や袖の長い服で日焼け対策を重視。
このように水温や日差しなどを考慮して、服装を変える点では、現代にも通じますね。
現代の鮎釣りに身に着けたい装備
伝統的な鮎釣りの服装についておさえたところで、ここからは現代の鮎釣りの際、何を着用したらいいのか具体的にみていきましょう。
鮎釣りの装備
- 鮎タイツ
- 鮎足袋、鮎ブーツ
- フィッシングベスト
- 偏光サングラス
- アンダーシャツ
- 鮎ベルト
これらを着用しておくといいでしょう。
鮎タイツは体にフィットするものを選ぶのが◎。
あまりぶかぶかのものを選んでしまうと、ウェットタイプのタイツは水が大量に入ってしまい、身体が冷えてしまうほか、動きにくくなります。
鮎タイツ(ウェット)の厚みの選び方
- シーズン初期や終期は、厚手の3.5㎜タイプ。
- 友釣りのトップシーズン7月から9月中旬は薄手の1~2㎜タイプ。
薄手のタイプは動きやすいのですが、シーズン初めや終わりには、体が冷えやすくなります。
水温に合わせて厚みを選ぶといいでしょう。
また防水加工されたドライタイツは防水ソックスと一体化しているため、川の水が入らないので冷えにくくおすすめです。
おすすめ鮎タイツ
阪神素地 ドライタイツ FX-652
こちらは阪神素地の撥水加工されたドライタイツです。
ドライタイツタイプは、防水ソックスと一体化しているため、川の水が入ってこないのが特徴。
衝撃吸収する膝パットがついていて、ごつごつした岩場などに膝をついても安全ですよ。
川の水が入ってこないので、長時間の釣行でも体が冷えないのがいいですね。
おすすめ鮎足袋
シマノ カットピンフェルトタビ (中割) FT-045X ブラック 各サイズ
こちらはシマノのフェルト底の足袋です。
指先部分は硬質ゴム、そのほかの部分には保護性・運動性のあるゴムが貼り付けられています。
また直付ソール、端まで切り込みが入ったカットピンフェルト、指先での踏ん張りが効く中割れ構造が、川底の石の感触を足裏で感じ取ることができますよ。
おすすめフィッシングベスト
バリバス アクティブベスト VAVT-05
こちらはバリバスのフィッシングベストです。
撥水・防風・透湿性に優れたナイロン2層コーティング素材でできている一品。
私は鮎釣りだけでなく、渓流釣りなどでもよく使っています。
おすすめアンダーシャツ
がまかつ アンダーシャツ 2WAYストレッチ 長袖 ブラック GM-3280
こちらはがまかつのアンダーシャツです。
UVカット機能付きで、アウター、アンダー、どちらとしても使用可能になっています。
吸汗性、速乾性も優れているので、さらっと着ることができますよ。
これらを着用すると、安全に鮎釣りを行うことができるでしょう。
鮎釣りに用意しておきたいもの
渓流釣りほど山あいではないものの、鮎釣りを行う際にも害虫対策などもしておく必要があります。
害虫・ヒル忌避剤
- 虫よけスプレー
- ヤマビル忌避剤
- ハッカ油スプレー
- 全身薬用ローション
- エアゾール式沈痛消炎剤
これらが害虫やヒルに有効です。
万が一のために用意しておくほか、なるべく肌の露出を控えましょう。
ヤマビルは、塩や濃度の濃い塩水をかけると退治することができます。
塩がこれ以水に上溶けないという、飽和食塩水を作ってそれをスプレーするだけでヤマビルには有効です。
害虫やヒルの被害にあった場合の対処法
- ポイズンリムーバー
- 虫刺されの薬
- 抗ヒスタミン剤の塗り薬
万が一害虫やヒルの被害にあった場合には、これらを用意しておくと応急処置をすることができます。
また応急処置をした後には、早急に病院を受診しましょう。
おすすめヤマビル忌避剤
イカリ ヤマビルファイター 135ml
イカリのヤマビルファイターは、ヤマビルから身を守るスプレーです。
これを服に吹きかけておくだけで、ヤマビルが近寄ってこなくなる一品。
完全に乾くと、雨などに当たっても、薬剤が落ちにくくなるため、早めにスプレーしておくといいでしょう。
これを使うとヤマビルの被害に遭わないので、必需品となっています。
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救急かばん 救急セット 救急箱 ファーストエイド キット ポイズンリムーバー
こちらは持ち出し用の救急セットです。
怪我以外にも、ポイズンリムーバーが入っているので、毒虫に刺された場合などの応急処置対応可能な一品。
また災害時にも活用できるので、非常用バッグにも一つ入れていますよ。
清流の女王を狙う!鮎釣りの服装はこれを着用すれば間違いなし!:まとめ
今回は清流の女王とも呼ばれる「鮎」をターゲットにした釣りをする際の服装についてご紹介しました。
鮎釣りは、日本で古くから行われてきた釣りの一つです。
伝統的な鮎釣りの服装と現代の服装は異なるものの、古くから使われていたものも機能面でよく考えられてきたものだったのだと今回つくづく感じました。
現代の鮎釣りの服装はより機能性、安全性が高いものとなっていますので、是非参考にしてみてくださいね。