このような疑問にお答えします。
山あいの渓流での釣りは、景色も、釣れる魚も美しく最高ですよね。
しかし山なので、虫やヒルなどの被害に遭ってしまうということもあります。
私も梅雨時にヒルに吸血されてしまったことがあり、その出血量にびっくりしました。
ヒルは、吸血されても痛みはないのですが、見た目も気持ち悪いですし、うまく引きはがせないと化膿してしまうなんてことも。
今回はそんな渓流でヒルの被害に遭わないために、回避するための対策と、ヒルに吸血されてしまったときの対処法をご紹介いたします。
安全に渓流釣りを楽しむために、是非参考にしてみて下さいね。
目次
渓流に生息する「ヒル」とは?
渓流などの山に生息している「ヒル」。
普段の生活では、あまり見かけることはありませんよね。
という方もいらっしゃるでしょう。
私も渓流釣りをするまでは、実物を見たことはありませんでした。
なかなか実物を見る機会がないということは、対策なども取りにくいものです。
まずは「ヒル」がどんな生物なのかについて、みていきましょう。
ヒルってどんな生き物?
ヒルとはどんな生物なのかを知るために、辞書で調べてみました。
ひる【×蛭】 の解説
ヒル綱の環形動物の総称。
池沼・水田・森林や海にすみ、他の動物から吸血したり寄生したりする。
体は扁平または円筒形で細長く、環節は34個あり、前後端の腹面に吸盤をもつ。
雌雄同体。
チスイビル・ウマビル・ヤマビルなど。
出典引用:goo辞書
とあります。
環形動物とは、体形がひも状で、多数の環節に分かれている生物のことで、ヒルだけでなく、ミミズやゴカイもこの一種です。
またヒルの中には吸血しない種類も存在します。
ヒルの種類
ヒルの種類についてみていきましょう。
ヒルは、とても種類が豊富な生き物です。
世界で500種類、日本でも60種類ほど確認されています。
ヒルの分類
ヒルミミズ亜綱 | ザリガニ類の体表に寄生。 |
ケビル亜綱 | 魚類に寄生。 |
ヒル亜綱 | 一般のヒル類。 |
ヒルは大きく分けると、この3亜綱に分けられます。
またこのヒル亜綱も、さらに以下のような科に分類されます。
ヒル亜綱
- グロシフォニ科: ハバヒロビル、ヒラタビル、ヌマビル、カイビルなど。
- ウオビル科: ウオビル、エラビル、カニビルなど。
- イシビル科: シマイシビル、ナミイシビル、キバビル、クガビルなど。
- ヒルド科: チスイビル、ウマビル、セスジビル、ヤマビル、ハナビルなど。
ほ乳類から吸血せずに、小さな生き物を補食したりしているヒルもいます。
なんとも不思議な生き物ですね。
医療用ヒル
見た目もぬめっとしていて、種類によっては吸血するヒルは、嫌悪する方も多いですよね。
しかしヒル自体には、毒性はありません。
吸血されると血は止まりにくいものの、数日すると傷は治ってしまうことがほとんどです。
吸血するヒルの唾液には、以下のような効果があります。
- 噛まれても痛くないよう麻酔効果。
- 血の凝固を防ぐ効果。
昔から瀉血(しゃけつ)などの医療や、漢方では水蛭(すいてつ)という名の生薬として使われてきました。
イギリスでは、薬用ヒルの唾液腺から、ペプチドで構成される血液抗凝固成分の「ヒルディン」という成分が発見され、使用されています。
日本では、水蛭やヒルディンを使用した製品の薬効は正式に許可されていないため、健康食品として販売されていますよ。
嫌悪感を抱きがちなヒルですが、医療用としては研究の余地がありそうですね。
ヤマビルの生息地
ここまでは、ヒルとはどんな生き物であるかについてみていきました。
毒性はないヒルですが、吸血されると出血量にびっくりしますし、あの見た目が身体を這うと思うとちょっと気持ち悪いものですよね。
ここからは渓流でよく見かける、「ヤマビル」について詳しくみていきましょう。
ヤマビルの特徴
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ヤマビルは、和名が「ニホンヤマビル」という、ヒル亜綱ヒルド科に属するヒルです。
形態
大きさ | 1~5cm |
体色 | 本体が薄い茶色。
背面に黒い縦線が3本。 |
動きかた | 体の端部に一つずつ吸盤を持つ。
後吸盤で体を支え、前吸盤で進む。 |
口 | 前吸盤の中央に口がある。
口の中に細かい歯が並んでいる。 |
吸血量は自分の体重の6倍とも言われ、吸血すると、細いからだが丸くなります。
また吸血後は、つついたりしても、ほとんど動かないのも特徴の一つでしょう。
感覚器
ヤマビルは、体の表面や前吸盤の近くに感覚器(センサー)を持っています。
その感覚器を使い、動物が発する熱や炭酸ガスを敏感に察知。
また前吸盤の周りに10個眼点も持っていて、明暗や、ものの動きもわずかに感知することができます。
結果は息を吹きかけた側に、びよーんと反応。
こうやって吸血対象を探しているのかと、感心してしまいました。
生息地と活動時期
水田などに生息するチスイビルと違い、ヤマビルは陸生です。
日本の33都道府県で目撃情報があり、山や森林によく生息しています。
ヤマビルの好む場所
- 日陰の湿った環境。
- 山林内の暗くて落ち葉が堆積しているところ。
- 吸血対象が通る歩道や、獣道。
これらの場所によく生息しています。
地面に置いておくと、ヒルが付いてしまう可能性が高いので、注意しましょう。
また最近では、里山近くの住宅街でも目撃情報もあります。
ヤマビルは鹿の蹄穴を開けて、その穴に半寄生状態で生息することもよくあるそうです。
そのため鹿の行動するところに一緒に移動し、そこで生息・繁殖。
ヤマビルの生息範囲は、年々拡大しています。
活動時期
ヤマビルがよく活動する時期は、4~11月です。
渓流釣りができる期間(3~9月)は、ヤマビルも活動が盛んな時期であると思っておきましょう。
特に20度以上の湿度が高い時期は、活動が盛んです。
12~3月の寒い時期は、ヤマビルは土の中で過ごすので、地表で見かけることはあまりありません。
渓流釣りをする際は、ヤマビルの対策を忘れないようにしましょう。
ヤマビルの回避法と対処法
渓流で遭遇するヤマビルは、特に梅雨時期や夏の時期には、気づくと身体にくっついているものです。
対策をしないでいると、すぐに5~6匹ついてしまいます。
ヤマビルに毒性はないものの、血が大量に出ますし、患部がかゆくなります。
また吸血しているヒルを無理に引きはがすと、口が残ってしまい、じんましんや化膿して発熱しまうことも。
ここからは渓流釣りをする際に、ヤマビルを回避する方法と、吸血された場合の対処法をご紹介いたします。
ヤマビルの侵入を防ぐ服装
まずは渓流釣りをする際に、ヤマビルの侵入を防いで、吸血されない服装についてみていきましょう。
服装
- ウェーダーを着用する。
- (ウェーダーがストッキングタイプの場合)ウェーディングシューズ。
- 上着にレインウェアなど、長袖を着用する。
- 帽子をかぶる。
- 首にもタオルを巻く。
- 厚手のストッキングを履く。
このように、なるべく肌の露出は避けましょう。
またウェーダーに着替える前や帰宅時の服装も、長袖、長ズボン、厚手の靴下、しっかりとした靴などが安心です。
実は厚手のストッキングを履くことで、ヒルから吸血を防ぐことができます。
つま先から覆われている、細かい網目のストッキングは、防壁の役割を果たしてくれるのでおすすめですよ。
ただし薄手のストッキングは効果が薄いので、厚手のものを使用しましょう。
忌避剤を使って回避
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ヒルの進入を防ぐ服装についてみていきました。
ここからは、ヒルを回避するための対策についてみていきましょう。
ヒルを回避するための忌避剤としては、以下のようなものが有効です。
忌避剤
- 市販のヤマビル忌避剤
- 塩(結晶・食塩水)
- 酢
- ハッカ油スプレー
- 全身薬用ローション
- エアゾール式沈痛消炎剤
これらを使うことで、ヒルが肌についていても、すぐに落とすことができ、ものによっては退治できます。
また市販のヤマビル忌避剤や、濃度の濃い食塩水スプレーは、事前に服に吹きかけておくことで、ヒルが登ってくるのを阻止できますよ。
全身薬用ローションは、ヤマビルを退治はできませんが、市販の忌避剤と違い、肌に直接塗ることができます。
塗るだけで回避できるので、肌の露出しやすい首や腕、足などに塗っておくと有効でしょう。
おすすめ忌避剤①
シーブリーズ アンティセプティック 全身薬用ローション 230ml
こちらはシーブリーズの全身薬用ローションです。
ローションなので日常使いしやすく、全身に使えるのが嬉しい一品。
暑い夏の時期のお風呂後、塗っておくと、さっぱりさせてくれます。
すーっとしたローションなので、夏の暑さ対策としてもいいですよ。
おすすめヤマビル忌避剤②
イカリ ヤマビルファイター 135ml
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ヤマビルファイターは、その名の通り、ヤマビルから身を守るスプレーです。
これを服に吹きかけておくだけで、ヤマビルが近寄ってこなくなるので、安心して渓流で過ごすことができますよ。
完全に乾くと、雨などに当たっても、薬剤が落ちにくくなるので、早めにスプレーしておくのがおすすめです。
これを使い出してから、ヤマビルの被害に遭わなくなったので、欠かせない一品ですね。
おすすめ忌避剤③
食塩水スプレー
ヤマビルにはディートが有効です。
しかしディートを含む市販の忌避剤は、使いたくないという方もいらっしゃいますよね。
そんな方にもおすすめなのが、食塩水スプレーです。
ヤマビルは、塩や濃度の濃い塩水をかけると退治することができます。
塩がこれ以水に上溶けないという、飽和食塩水を作ってそれをスプレーしておくと、忌避剤としても退治薬としても使うことができます。
飽和食塩水の作り方(100ml)
- 水 100ml
- 塩 35g
常温(20℃)で、水100mlあたり、塩は35.8gとけるので、この分量を混ぜ合わせ、塩が溶けるまで混ぜましょう。
またウェーダーを履いていないときには、飽和食塩水に浸したタオルを足首に巻いて対策していますよ。
塩水に浸したタオルを巻くことで、足元からの侵入がなくなりました。
市販の忌避剤に比べ、費用も掛からないので、おすすめな方法です。
ただし地面にいるヒルに大量の塩や食塩水スプレーをかけると、自然にダメージを与えることになります。
地面に塩や食塩水をまくのはやめましょう。
ヒルに吸血されたときの対処法
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ヒルに吸血されてしまっても、それが原因で生命に関わるということはほぼありません。
しかしヒルを無理に引きはがすと、口が残ってしまうことも。
無理に引きはがすと、傷口から細菌感染を起こして、
- じんましん
- 発熱
- 激しいかゆみ
などの症状が起きることもあります。
これらのことを起こさないために、ヒルに吸血されてしまった場合に備えておきましょう。
対処法
- 吸血しているヒルを見つけたら、すぐに除去する。
- 傷口から血を押し出すようにする。
- 抗ヒスタミン剤の塗り薬を塗って、絆創膏を貼っておく。
ヒルに吸血されてしまったら、この手順で対処しましょう。
①吸血しているヒルを見つけたら、すぐに除去する
吸血しているヒルを見つけたら、すぐに除去しましょう。
無理に引きはがすと、皮膚を損傷したり、口が残ってしまうことがあるので、塩、酢などをヒルに直接振りかけるのがおすすめです。
塩や酢は、すぐにヒルを退治することができますよ。
またタバコを吸う方は、タバコの火やライターの火をつけるのも効果的です。
その際は火傷に注意して行いましょう。
②傷口から血を押し出すようにする
ヒルが除去できたら、傷口から血を押し出すようにしましょう。
血と一緒にヒルの唾液から出ている「ヒルディン」という、血が止まりにくくなる成分を流し出すことで、止血しやすくなります。
虫刺されの際の毒を吸い出す、「ポイズンリムーバー」があると、行いやすいですよ。
おすすめポイズンリムーバー
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ポイズンリムーバーが最初から入っているので、渓流釣りや山登りなどのアウトドアに最適な一品です。
③抗ヒスタミンの塗り薬を塗って、絆創膏を貼っておく。
ヒルに吸血されると、どうしてもかゆみが出てしまいます。
そのため、「抗ヒスタミン」の塗り薬(虫刺され薬)を塗って、そのあと絆創膏を貼っておきましょう。
自分に合う虫刺されの薬があると安心ですね。
渓流釣りのヒル対策はどうしてる?回避法と対処法をご紹介します:まとめ
今回は渓流釣りで遭遇してしまうヒルの対策についてご紹介しました。
ヒルに吸血されても生命の危機はないものの、ちょっと気持ちが悪いですし、出血も多いので、できるだけ回避したいですよね。
ご紹介したヒルの忌避剤や服装などで対策すると、かなり被害を防ぐことができます。
また吸血されてしまっても、対処方法がわかっていれば、最小限の被害に押さえることができるでしょう。
ヒル対策をしっかりとして、渓流釣りを安全に楽しんで下さいね。