イトウ 釣り 釣り方

【幻の魚】イトウの釣り方とそのルールを徹底解説いたします!

イトウを釣ってみたい!釣り方を教えて。

このような疑問にお答えします。

日本では、北海道の一部の地域にしか生息しない日本最大級の淡水魚「イトウ」。

北海道でも道東の一部の河川や湖沼にしか生息しないため、幻の魚とも言われています。

今回は、そんな幻の魚「イトウ」について深堀りしていきたいと思います。

イトウとはどんな魚なのか、またその釣り方についてもご紹介いたします。

イトウ釣りの始め方を知って、釣りを楽しんでみてくださいね。

 

「イトウ」ってどんな魚?

最初に「イトウ」とはどんな魚なのかについて知っておきましょう。

「イトウ」は、北海道の一部河川や湖沼に生息する日本最大級の淡水魚です。

北海道でも一部の地域にしか生息しないため、その希少性からイトウは「幻の魚」とも呼ばれています。

最大で1メートルを超えることもあり、強烈な引きとその希少性から釣り人にとって「一生に一度は釣りたい魚」の一つとされています。

私は北見市にある「北の大地の水族館(山の水族館)」でイトウを見たことがありますが、自分よりも大きいイトウにびっくりしました。

こんな大物が釣れたら、と想像するだけでわくわくしますね。

イトウの特徴

イトウの特徴についてみていきましょう。

イトウの基本情報

  • サケ科イトウ属(唯一の種)
  • 分類学名:Parahucho perryi (和名:イトウ(伊富)
  • 分布地域:北海道の道北・道東、ロシア極東地域(アムール川流域など)
  • 体長:平均60〜80cm、大型は1m以上・重さ10kg超も
  • 寿命:約15〜20年とされる長寿魚
  • 食性:肉食性(魚、小動物、時にカエルや小鳥も)
  • 性質:低水温を好み、警戒心が強い。

イトウはこのような魚です。

釣り人

イトウはかつて北海道の広範囲に生息していましたが、現在は生息域が極端に狭まり、環境省レッドリストで「絶滅危惧IB類」に分類されています。

そのため釣りをする際も、多くの河川ではキャッチ&リリースが義務付けられています。

イトウの名前由来

イトウは和名の「糸魚」が由来です。

サケ科の中でも体が糸のように細く、全長に対して体高が低いことから、糸の魚なのですね。

生殖活動後は特にやせ細った個体が多いため、このように知られたとされています。

学名の 「perryi」という言葉は、ペリーの黒船が函館に立ち寄った際にイギリスの生物学会にイトウの存在を報告したことからそう名づけられているようですよ。

イトウの外見状の特徴

イトウはどのような見た目をしているのかについてもおさえておきましょう。

イトウの特徴

  • 体の大きさ:平均60〜80cm、大型は1m以上・重さ10kg超もいる。
  • 寿命:約15〜20年とされる長寿魚。
  • 食性:完全な肉食性(魚、小動物)
  • 体型:細長く流線型。
  • 色合い:背中は褐色〜オリーブ色、側面に細かく黒い斑点模様。
  • 行動:警戒心が強く、流れの緩い深場や倒木周辺などに潜む。
  • 季節性:春に産卵。
  • 水温:水温が低く安定した場所を好む。

このような特徴を持ちます。

また体色は黒、茶色、ベージュ、白、紫や赤色ですが、特に婚姻色になると赤色が目立つようになるんですよ。

大型に育つイトウは、丈夫な顎と鋭い歯を持ち、カエルや小鳥なども食することのある肉食性の魚です。

大型のイトウは、淡水の食物連鎖の頂点で、小鹿なども食することがあるのだとか。

大型の個体は、丸太のように分厚く、太くなるので、怪物を思わせますね。

一言メモ

イトウはモンゴルやロシア付近に生息する有名な巨大魚、タイメンの仲間。

世界にはタイメンの仲間がなんと5種類もいます。

実はモンゴルやロシア付近に生息するあの魚はアムールイトウであるため、イトウは種類が同じでも少し違いがあります。

アムールイトウとイトウでは、形、模様や色が違い、生息地も異なります

イトウは日本やサハリン近辺のみに生息しています。

アムールイトウ(タイメン)はモンゴルやロシアに生息しています。

イトウの保護と現状

イトウは、かつては北海道の広範囲に生息していた魚です。

しかしながら現在イトウは、環境省レッドリストで「絶滅危惧IB類」に分類されており、生息域が極端に狭まっています

なぜ絶滅が危惧されるようになってしまったのか、その原因についてもおさえておきましょう。

絶滅危惧になってしまった理由

  • 成長スピードが遅い魚である。
  • 河川開発・護岸工事による生息環境の破壊。
  • 過去の乱獲。
  • ダム建設による移動の阻害。
  • 外来魚との競合や水質悪化。

イトウは上流域で産卵を行う魚です。

そのためダムなどの人工構造物があると、イトウは上流まで遡上できない=産卵することができないのです。

これらの原因により、イトウの数が激減し、絶滅が危惧されるようになってしまいました。

反対にイトウが好む場所についてもみていきましょう。

イトウの好む生息場所

  • 流れが穏やかな湿原河川。
  • 緩やかな曲線を描いて流れる大きな川。

これらの条件を満たす場所が少ないのも、イトウが絶滅に瀕してしまっている理由の一つと言えるでしょう。

釣り人

現在、イトウは多くの地域で、キャッチ&リリースが義務化されています。

イトウの保護のため、釣りをする際も十分な配慮が求められています。

 

イトウ釣りの魅力とシーズン

イトウとはどんな魚なのかご紹介しました。

ここからはイトウ釣りの魅力とシーズンについてみていきましょう。

釣り人にとってのイトウの魅力

「イトウを一度は狙ってみたい。」という釣り人も多いですよね。

私も水族館でイトウをみてから、ずっとチャレンジしたいと思っていた魚です。

イトウが釣り人を魅了する理由についてもおさえておきましょう。

イトウの魅力

  • 圧倒的なサイズとパワー
  • 生息地の秘境感と冒険性。
  • 一筋縄ではいかない高難度
  • 自然保護と向き合いながら楽しむスポーツ性。

これらがイトウの魅力であり、釣り人が一度は釣ってみたいと感じる理由ですね。

イトウ釣りのベストシーズンと時間帯

イトウ釣りはいつできるのでしょうか。

狙うべきシーズンと時間帯についてもおさえておきましょう。

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イトウ釣りのシーズン

イトウ釣りのできるシーズンについてみていきましょう。

狙うべきシーズン

  • 春(4~6月):産卵を終えた個体が活発にエサを求める時期。
  • 秋(9~11月):水温が下がり始め、活性化するため釣果をあげやすい時期。

これらの時期に、狙うのがおすすめです。

また大型のイトウ狙いも、春・秋がいいでしょう。

難易度は高いが狙うことができるシーズン

  • 夏(7~8月):水温上昇とともに深場へ移動する個体が多く、難易度は上昇。
  • 冬(12~3月):氷点下の釣行で難易度は非常に高いが、越冬場所にいる個体に絞ることが釣果へのポイント。

基本的に、イトウは全シーズン釣ることができます

しかし難易度は時期によって異なり、ハイシーズン以外は難易度が跳ね上がります。

そのため、なるべくハイシーズンである春や秋に狙うといいでしょう。

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時間帯

他の魚同様、イトウも朝・夕のマズメ刻に活性が上がるため狙い目です。

夜間の釣りは禁止されているほか、熊の出没の恐れがあるためしないようにしましょう。

北海道では熊が身近な存在なため、出没状況などを公表している地域も多いです。

イトウ釣りに行く際は、近隣情報をしっかり入手しておきましょう。

 

イトウを釣るのにおすすめエリア

イトウのハイシーズンなどについてご紹介しました。

実際に釣ることができるエリアについてみていきましょう。

おすすめエリア

  • 猿払川(さるふつがわ):北海道道北の有名なポイント。(C&R専用区間あり。)
  • 朱鞠内湖(しゅまりないこ):ボート釣りや氷上釣りが可能な人気フィールド。
  • 利別川(としべつがわ):道東の秘境で、フライも人気のエリア。
  • さっぽろ湖:札幌から最も近い釣り場で、氷上釣りも可能。

このような場所で、イトウをねらうことができます。

中でも猿払川は、下流から上流域までイトウの名所

また猿払川に繋がっているポロ沼や河口付近のサーフでもイトウが狙うことができます。

私は友人と猿払川の河口付近のサーフでイトウ釣りに行ったことがあります。

イトウの餌となるベイトフィッシュの多い場所を狙うことで、釣り上げることができました。

底をとり、底付近を引くようにするのも釣果を上げるポイントです。

 

イトウ釣りに必要な装備と注意点

イトウ釣りの狙うべきシーズンと時間、エリアについてみていきました。

実際にイトウを釣る際のタックルはどんなものが必要になるの?

このような方に、ここからはイトウ釣りに必要となる基本タックルと現地で気を付けることについてご紹介いたします。

イトウ釣りの基本タックル

まずはイトウ釣りに必要な装備についてみていきましょう。

イトウ釣りに必要な基本タックル

  • ロッド:8~10ft前後のシーバスロッド(MH〜H)
  • リール:4000〜5000番のスピニングリール
  • ライン:PE1.2〜2号+リーダー20~25lb前後(小規模河川の場合PE3~8、ナイロン40~80lb)
  • ルアー:スプーン(10~30g)、ミノー(90~180㎜)、トップウオータールアー(ねずみなど)、ワーム(テキサスリグなど)
  • その他:偏光グラス、ウェーダー、ネット(ラバーネット推奨)、熊よけの鈴、スプレーなど

このようなタックルが、イトウ釣りには必要となります。

また小規模河川においては、障害物も多く、雷魚やナマズ、バスのようなスタイルの釣りとなります。

そのため、小規模河川では、大・中規模河川や湖、海などのタックルよりもパワーのあるロッドやリール、太いラインが必要となるでしょう。

釣り人

イトウの保護のためにも、ルアーのフックはバーブレスのものを使用しましょう。

また基本的にC&R(キャッチ&リリース)が義務付けられているため、釣り上げた後も迅速にリリースすることが重要です。

おすすめロッド

シマノ フリースタイルロッド 20 ワールドシャウラ ドリームツアーエディション 

こちらはシマノのロッド、ワールドシャウラです。

ワールドシャウラシリーズの中でも最もパワフルなモデルで、超大型のイトウがかかっても対応可能な一品。

仕舞寸法が55㎝ほどと驚くほど短く、軽量なロッドなので、携行性も抜群です。

軽量なのに、パワフルなやり取りにも対応できる素晴らしいロッドだと私は感じています。

ハイエンドモデルなので、購入時には思い切りが必要でしたが、購入してよかったですね。

おすすめリール

シマノ スピニングリール 22 ステラ 

こちらはシマノのスピニングリール、ステラです。

シマノのハイエンドモデルであるステラは、パワーはもちろん、巻き心地もいい一品。

私はイトウ釣りにあわせてこちらを購入したのですが、使い心地が最高なリールです。

大物狙いはこのリールを使っています。

おすすめライン

シマノ PEライン ピットブル 4本編み 150m PL-M54R

こちらはシマノのPEラインです。

4本編みなので、スレなどにも強く、耐久性に優れた一品。

イトウ釣りで使用しましたが、安心して使うことができました。

おすすめリーダー

ヤマトヨテグス 釣り糸 フロロショックリーダー フロロカーボン

こちらはヤマトヨテグスのフロロカーボンのショックリーダーです。

サイズ展開が豊富なので、ターゲットに合わせたリーダーを選ぶことができますよ。

私も使っていますが、価格、強度いうことなしのリーダーですね

おすすめスプーン

ダイワ スプーン レザーチヌークS 4.5S/7S/10S/14S/17S/21S/25S 各種

こちらはダイワのスプーン、チヌークです。

サイズ展開も豊富で、4~25gから選ぶことができますよ。

私は友人から教えてもらい、チヌークを購入したのですが、名作というだけあって、食いつきが違いますね。

価格がお手頃なのも嬉しいところです。

おすすめミノー

ラパラ オリジナルフローター F18 18cm/21g

こちらはラパラのミノーです。

ラパラシリーズはイトウ釣りを代表するミノー。

フローティング以外にも、シンキング、ジョイントタイプもあるため、目的に合ったものを選ぶことができます。

私もイトウ釣りのために購入しましたが、ターゲットの反応が良かったですね。

おすすめトップウォータールアー

フィッシングルアー  ネズミスタイル ロングテールスイング マルチジョイントクランクベイト

イトウ釣りに合わせて購入したのが、このネズミを再現したルアーです。

イトウはネズミも捕食するため、このようなルアーも効果的ですよ。

ほかのルアーがスレてきたと感じた際に使ったのですが、大物が反応していましたよ。

本当にネズミをも捕食するのだと、びっくりしましたね。

ルアーに最初についているフックは、トレブルフックやバーブあり(カエシあり)であることが多いので、使う際はシングル・バーブレスフックに付け替えて使用しましょう

イトウ釣りのマナーと注意すべきこと

イトウ釣りのタックルについてご紹介しました。

これで釣りにいつ出発してもOKかというと、そうではありません。

滅が危惧されているイトウは、釣る際のルールや、現地の情報を事前に把握しておく必要があります。

イトウ釣りのルール

  • C&R(キャッチ安&リリース)。
  • 大型のラバーネットの使用。
  • バーブレス・シングルフックの使用。

これらが基本のルールです。

またバーブレス・シングルフックを使ったとしても、針にかかると、魚は弱ってしまいます。

そのため釣りすぎは絶対にNG

釣り上げた際も水中での写真撮影や長さの測定をするなど、極力弱らないようにしてあげましょう。

<b>現地の情報収集の重要性</b>

北海道では、近年札幌の市街地においても熊が出没し、被害が出ています。

山あいの河川や湖などでは、より熊が出没しやすいため、事前に現地の状況を把握しておくことが身を守るために重要です。

熊よけの鈴や、スプレーなども持ち歩くといいでしょう。

また山あい付近では鹿も急に出てくることがあるので、現地までの運転にも気を付ける必要があります。

 

【幻の魚】イトウの釣り方とそのルールを徹底解説いたします!:まとめ

今回は北海道に生息する、幻の魚と呼ばれるイトウの釣り方とそのルールについてご紹介しました。

大型のイトウは、釣り人の憧れのターゲットですが、北海道においても絶滅が危惧されている魚なため、しっかりとルールを守って釣りをする必要があります。

ポイントをおさえて、イトウのメッカと呼ばれる猿払川や、札幌から近いさっぽろ湖などで、是非大物を狙ってみてはいかがでしょうか。

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