マナー 渓流

渓流釣りのマナーって何?知っておくべき法律と注意点を大公開!

渓流釣りをしたいけれど、気をつけるマナーってあるかな?注意することを教えて。

このような疑問にお答えします。

渓流釣りは、釣る楽しみはもちろん、大自然を味わうこともできて最高ですよね。

しかし渓流釣りは、守るべき法律やマナーもたくさんありますし、できる期間が決まっています。

その法律やマナーを守らないと、他の方に迷惑をかけたり、罰則の対象になる可能性もあります。

渓流釣りに関する法律やマナーを知ると、トラブルを避け、安全に楽しむことができますよ。

気を付けるマナーや法律を知って、渓流釣りを楽しみましょう。

 

河川での釣りの法律と規制

河川や湖沼などと同様、私有地を除いて、渓流は公共の場です。

水産資源の保護培養、漁業調整の観点から、一般の釣りは制限されています。

釣りはレジャーである一方、魚を釣るという行為が「漁業」扱いになるため、法律や規制が定められており、違反すると処罰の対象になります。

渓流釣りをする際は、ルールを守ることが大切になってきます。

でもどんな法律や規制があるの?

そんな方に渓流釣りをする際に、知っておきたい法律についてご紹介いたします。

水産動植物(水産資源)の採捕を規制している法令等

  • 漁業法
  • 水産資源保護法
  • 都道府県内水面漁業調整規則
  • 漁業調整委員会の指示
  • 第5種共同漁業権と遊漁規則

これらが渓流釣りをする上で、知っておきたい法律や規制になります。

渓流釣りが関係する法律や規制については、水産省のHPで確認することができます。

漁業法

まずは漁業法についてみていきましょう。

漁業法は、第二次世界大戦後の1949年に、新たに制定された法律です。

  • 漁場を総合的に、高度に利用する。
  • 漁業の民主化。

この2つが目的として制定されています。

水産省のHP上では、漁業法は以下のように説明されています。

漁業法

漁場の総合的な利用による漁業の発展を目的とする法律です。

漁業権、漁業の許可、漁業調整委員会等について規定しています。

出典引用:水産省HP 

漁業権は、一定の水面で特定の漁業を排他的に営む権利です。

漁業権が設定されている水面であっても、他の漁業や遊漁が直ちにできなくなることはありませんが、漁業権の対象漁業の操業の妨害、漁場の価値を損なう場合、

  • その行為の中止や排除を求められる。
  • 漁業権侵害として告訴、20万円以下の罰金。

の可能性があります。

水産資源保護法

次に水産資源保護法について、みていきましょう。

こちらも渓流釣りをする際に、守らなければならない法の一つです。

水産資源保護法(漁法の制限)

第五条 爆発物を使用して水産動植物を採捕してはならない。

ただし、海獣捕獲のためにする場合又は調査研究のため農林水産大臣の許可を受けてする場合は、この限りでない。

第六条 水産動植物を麻痺ひさせ、又は死なせる有毒物を使用して、水産動植物を採捕してはならない。

ただし、調査研究のため農林水産大臣の許可を受けてする場合は、この限りでない。

第七条 前二条の規定に違反して採捕した水産動植物は、所持し、又は販売してはならない。

出典引用:e-GOV法令検索

これらが渓流釣りにおいて、注意しておかなければならない項目です。

爆発物や、麻痺または死なせる有毒物の使用は絶対にやめましょう

違反して採捕された水産動植物の所持も、禁止されています

また内水面におけるサケの採捕は、特別の場合を除いて禁止されています。

都道府県内水面漁業調整規則

都道府県内水面漁業調整規則は、都道府県知事が定めています。

知事は以下の規定に基づき、農林水産大臣の認可を受けて規則(漁業調整規則)を定めています。

  • 漁業法(昭和24年法律第267号)
  • 水産資源保護法(昭和26年法律第313号)

また水産庁では全国統一的に、一定の水準を確保するため、都道府県漁業調整規則例を作成しています。

都道府県ごとに、採捕の許可、禁止区域、禁止期間等を定められています。

渓流釣りをする際は、事前にその地域の内水面漁業調整規制を確認しておきましょう。

漁業調整委員会の指示

内水面漁場管理委員会(漁業者代表や学識経験者などで構成される)は、水産動植物の繁殖保護など漁業調整のため、遊漁者を含む関係者に対し、水産動植物の採捕等に指示をすることができます。

*内水面とは、湖沼、河川、池などのこと。海面漁業に対する語にあたります。

指示の内容としては、

  • 漁具・漁法の制限
  • 禁止区域
  • 体長等の制限

などが内水面漁場管理委員会より出されます。

指示に従わない場合は、漁業調整委員会の申請に基づき、都道府県知事より指示に従うように命令されます。

この命令に従わない場合、1年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金になります。

指示には従うようにしましょう。

第5種共同漁業権と遊漁規則

 

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内水面(河川、湖沼)は、地元の内水面漁協が第5種共同漁業権の免許を受けているところが多いです。

これらの漁協では、漁業法に基づき、アユやコイなど漁業権の対象魚種の増殖義務が課されているため、稚魚の放流をしています。

漁協は、漁場内で組合員以外の者が行う漁業権対象魚種の採捕(遊漁)について、都道府県知事の認可を受けて遊漁規則を定め、一定の制限を行っています。

この遊漁規則には、

  • 遊漁料
  • 遊漁承認証
  • 遊漁期間等

が定められています。

釣りをする河川・湖沼によって規制の内容等が異なります。

そのエリアの遊漁規則を守って、釣りをしましょう。

渓流釣りをする時は、行うエリアの漁協、都道府県の水産担当部局で確認しましょう。

 

釣りができる時期と遊漁券

渓流釣りをする上で、知っておくべき法律と規制についてご紹介しました。

さらに渓流釣りでは、必ず知っておかなければならないルールとして、

  • 釣りができる時期が決まっている。
  • 釣りをするには遊漁券が必要。

ということがあります。

この2点を具体的にみていきましょう。

渓流釣りのルール!出来る時期が決まっている

 

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渓流釣りは、渓流魚の産卵時期と卵からかえった稚魚が育つまで、保護の観点から禁漁期間が設けられています。

渓流ができる期間は、一般的に3月から9月頃までです。

地域によって多少違いはありますが、その後10月から2月までが禁漁期間となっており、釣りは出来ません。

渓流釣りをしたい場合は、釣りの解禁日を各漁業協同組合HPで確認しましょう。

私は禁漁期間に釣りをしたい時に、管理釣り場を利用しています。

ポイント

禁漁期間の釣りは、各都道府県の漁業規則によって異なりますが、罰則が記載されています。

前歴がつき、略式起訴で、通常最上限の金額の罰則になります。

また金額は10~30万円以下の罰則となっています。

魚を守るための禁漁期間ですので、絶対にやめましょう。

遊漁券ってどんなもの?

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遊漁券は河川で、対象となる魚を釣る際に必要になる許可証のことです。

河川ごと、または河川のエリアごとにその土地の漁協が管理、販売しています。

また近くの釣具店やコンビニでも購入することが出来ますよ。

遊漁券は

  • 対象の魚ごとに設けられていることが多い。
  • 一日のみ有効の「日券」と一シーズン有効の「年券」がある。

地域や釣る魚によって、遊漁券の値段は異なりますが、

  • 日券 500〜3,000円
  • 年券 2,000〜15,000円

で購入することが出来ます。

「年券」の多くは5回前後で元が取れるような価格設定が多いです。

私は同じエリアへ釣りにいくことが多いので、「年券」を購入しています。

同じ河川・エリアであっても別の対象魚を釣る際は、それぞれ遊漁券が必要です。

特にアユやイワナ、ヤマメ、アマゴなどの渓流魚は別の遊漁券が設定されている場合が多いです。

ポイント

遊漁券がない状態で釣りをした場合、河川を見回る漁協監視員から「現場売り券」を購入する必要があります。

また現場売り券も購入しない場合は、罰則の対象になる可能性がありますので、遊漁券は必ず用意しましょう。

漁協によっては釣り方の指定がある場合もあり、ルールの詳細は異なります。

事前に漁協のホームページなどで、ルールをチェックしておきましょう。

ルールに従って、釣りを楽しんでくださいね。

 

渓流釣りでの釣り方のルール

法律では釣りをする上で、みんなが気持ちよく過ごすためのマナーについては規定されていません。

法律違反にはならないものの、渓流釣りでは守るべきマナーが何点かあります。

知らないとトラブルのもとになりますし、他の人の迷惑になります。

マナーを知って、渓流釣りを楽しみましょう。

渓流釣りのマナー

  • 下流から上流へと釣り上がる。
  • 先行者優先。
  • 駐車スペースを利用する。
  • 使用してはいけない仕掛けがある。
  • ゴミは持ち帰る。
  • コミュニケーションをとる。

これらが渓流釣りでのマナーになります。

渓流釣りでのマナーを具体的にみていきましょう。

下流から上流へと釣り上がる

 

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渓流魚は上流に向かって泳ぐ魚です。

渓流魚は警戒心が高い魚なので、釣りをする際に、上流から下流へ移動してしまうと、人の気配に気付いてしまいます。

魚の警戒心が増すと、自分だけでなく、周りの方も釣りにくくなってしまいます。

自分だけが楽しければいいという自分勝手な行動をせず、ルールやマナーを守って他の人も楽しめる環境を意識して行いましょう

また下流から上流へ一方通行にすることで、他の人とバッティングして、トラブルになることも避けることができます。

先行者優先

釣りをする場所を探している際に、他に人がいた場合は、先行者優先です。

他の釣り人が先に川に入っている場合は、その人がこれから釣っていくと予想される範囲の上流側に入るのは、マナー違反となります。

  • 基本的には追いつかないよう気をつけて、下流に入る。
  • (どうしても上流に入る場合は)先行者の方にかけ、許可を得てから距離をとって入る。
  • 別の渓流へ移動する。

これらの方法でトラブルを避けて、釣りをしましょう。

私も渓流で人に会った際は、挨拶をしています。

一声あるだけで、気持ちよく釣りをすることができますね。

駐車スペースを利用する

渓流釣りに車で行く際は、駐車スペースに停めましょう。

山間の渓流では、駐車スペースが狭い場所も多いです。

駐車スペースがない場合も、私有地や通行の邪魔になる場所に駐車するのはやめましょう。

私は事前準備として、必ず駐車できる場所を確認するようにしています。

車で行くことが決まっている場合は、事前準備として駐車できる場所を調べておくことが重要です。

どうしても駐車スペースが確保できない場合は、別の渓流に移動するようにしましょう。

使用してはいけない仕掛けがある

 

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漁協によっては、釣り方を指定していることがあります。

特に私の経験上、C&R(釣った魚の持ち帰り禁止)区間が設定されている場合、バーブレス・シングルフックの使用がルールのところが多いです。

バーブレス・シングルフックタイプのルアー

バーブとはハリにあるカエシのことです。

またシングルフックは、イカリ型でない1本バリのことです。

また最初から、ルアーの前後にシングルフックが付いているものは、そのままでOKです。

バーブレスフックの魅力としては、

  • 魚がかかりやすい。
  • 魚を痛めることなく、リリースしやすい。
  • 自分に刺さった時も、抜きやすい。

ことにあります。

魚にも、人にも優しいので、私は指定されていない場所でもバーブレスフックを愛用しています。

バーブレスフックを使うと、最初はばらしてしまうこともあります。

しかし魚はかかりやすいので、腕を磨くチャンスにもなりますよ。

ゴミは持ち帰る

 

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渓流釣りの魅力の一つとして、大自然の美しさが満喫できることがあります。

渓流釣りをしている時には、途中でご飯を食べたり、色々ゴミが出てしまいますよね。

自然を守るためにも、釣りで出てしまったゴミは、必ず持ち帰りましょう

私は釣りに行く際は、必ずゴミ袋を持参しています。

後始末をきちんとすることは、アウトドアの基本です。

コミュニケーションを取る

渓流釣りをする際に、他の釣り人に挨拶するなど、コミュニケーションはきちんととっておきましょう

渓流釣りは、グループで賑やかに行うレジャーではありませんが、コミュニケーションをとっておくことで、トラブルを避けることができます。

また溺れた、遭難したなど、非常時にも他の人とコミュニケーションをとっておくと、助けられることがあります

他の釣り人がいたら、挨拶として一声かけておきましょう。

 

渓流釣りのマナーって何?知っておくべき法律と注意点を大公開!:まとめ

今回は渓流釣りをする際に、知っておかなければならない法律とマナーについてご紹介しました。

法律や規制は守らないと罰則の対象になるだけでなく、魚を守ることができません。

またマナーは、みんなが気持ちよく、渓流釣りを楽しむために必要なものです。

法律やマナーを守って、渓流釣りを楽しみましょう。

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